羽生 合計自己ベスト2位も「いい演技が伴わないと 悔しい」

[ 2012年12月9日 06:00 ]

フリーでイナバウアーを披露する羽生

フィギュアスケート GPファイナル最終日

(12月8日 ロシア・ソチ)
 確かな手応えを感じるように、演技が終わるとうなずいた。羽生が冒頭の4回転トーループを完璧に着氷。続く4回転サルコーは2回転となったが、ここから冷静に立て直した。残りのジャンプを着実に決めて、フリーは177・12点。合計で自己ベストの264・29点に伸ばして銀メダルを手にした。

 「メダルはうれしいが、いい演技が伴わないといけない。4回転サルコーが2回転になったので悔しい」。表現力が評価される5項目の演技点でも3項目で8点台後半をマークしたが、頂点に立てなかっただけに手放しでは喜べなかった。

 前日(7日)が18歳のバースデーだった若武者は強気だった。SPは首位の高橋と5・12点差の3位。「まだまだ挽回できる。今、弱気になってどうするのって感じ。18歳らしい演技ができればいい」と気合を入れていたフリーで、銀メダルを獲得した。

 今季から10年バンクーバー五輪でキム・ヨナを金メダルに導いたブライアン・オーサー・コーチに師事。練習拠点をカナダ・トロントに移した。母・由美さんが同行し、自宅とリンクを往復する日々。「食事はいつも私が作っています。あの子は料理はできない。私が行かないと餓死しちゃう」と由美さんは苦笑い。キッチンでは何もできないが、リンクではポテンシャルの高さを見せつけた。

 世界選手権連覇中の王者・チャンを超え、日本男子を引っ張ってきた大先輩・高橋に次ぐ2位。「SPもフリーも1位という数字を見られなかったので、五輪までに両方とも1位になるよう力をつけていきたい」。次世代のエース候補はさらなる飛躍を誓った。

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2012年12月9日のニュース