沙羅惜しい2位 米国のサラに敗れ連勝ならず

[ 2012年12月9日 06:00 ]

高梨沙羅の1回目の飛躍

 ソチ冬季五輪テスト大会を兼ねたノルディックスキーのW杯ジャンプは8日、ソチで個人戦(HS106メートル、K点95メートル)を行い、女子第2戦で16歳の高梨沙羅(グレースマウンテン・インターナショナル)は1回目に最長不倒の106メートル、2回目も最長の104メートルを飛んだが、飛型点が伸びず258・0点で2位になり、第1戦に続く優勝はならなかった。サラ・ヘンドリクソン(米国)が103・5メートル、103メートルの264・2点で制し、通算10勝目を挙げた。

 汚れて茶色になった人工雪で覆われたジャンプ台に試合前まで雨が降り続いた。五輪テスト大会にふさわしくない条件の中、高梨は飛距離でヘンドリクソンを上回った。しかし足を前後に開くテレマーク姿勢を入れられず着地の差で2連勝を逃した。「やらなきゃいけないことができなかった」と残念がった。

 ソチの助走路は緩やかな傾斜が続いたまま踏み切りを迎える形状。前日に初めて飛んだ高梨は「タイミングを合わせるのが難しい」と気にしていた。この日の1回目も「遅れた」と言う。それでもただ一人ヒルサイズまで伸ばしてジャンプ台記録を出し「凄くうれしい」と喜んだ。2回目も最長の104メートルを飛んだが、2回とも着地を決めたヘンドリクソンに飛型点で及ばなかった。

 第1戦を制し、一時帰国した際には雪が足りずジャンプ練習ができなかった。助走姿勢の修正点などをイメージしながら陸上での練習に励み、雪上で調整してきた海外の強豪とのハンデは感じさせなかった。五輪開催地でW杯総合首位として1回目の最後に飛ぶ憧れを実現した一方で、着地での課題がまた浮き彫りになった。

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2012年12月9日のニュース