福島が日本女子初の2冠!200メートルもアジア女王

[ 2010年11月25日 19:12 ]

女子200メートルを制し、日の丸を手に声援に応える福島千里

 【広州アジア大会】陸上女子200メートルで22歳の福島千里(北海道ハイテクAC)が23秒62で快勝し、日本の女子選手で初めて100メートルとの2種目制覇を果たした。22日の100メートルで日本勢の44年ぶりの優勝を遂げた福島は、22秒89の日本記録を持つ200メートルでは持ち味のスタート力で飛ばして他を圧倒した。

 新アジア女王の勢いは誰にも止められなかった。女子200メートル決勝。スタートから飛び出した福島は高速ピッチでコーナーを抜けると、大きくリードして直線に入った。日本勢28年ぶりの金メダルへ残り50メートルから「脚が全然動かなくなった」と少し慌てたが、前半の貯金で逃げ切った。
 テーピングを施した左足首は万全でなく、指導する中村コーチは「8割程度の状態」と言う。追い風1・1メートルで23秒62のタイムは思い描いたものではないだろう。それでも100メートルとの2冠は日本女子初の快挙だ。100メートル決勝で0秒01差の大接戦を演じたフビエワも寄せ付けず、22歳のエースは「どんな状態でも走れることを証明したかった」と誇らしげだった。
 北海道で生まれた創意工夫が躍進の支えだ。130メートルの直線トラックを備えた練習拠点の屋内施設では、壁に立てかけたマットにタッチして戻る「往復走」と呼ぶ230メートルダッシュを繰り返す。「雪深い冬こそ速い動きが大切」と低いハードルを小刻みにまたぐ動作を繰り返し、高速ピッチを体に染み込ませた。
 レース後に「世界で戦うにはもっとしっかり体力をつけていかないと」と課題を挙げた。5月に22秒89を出して23秒の壁を破った日本記録保持者は、アジアの頂点で満足するつもりはなかった。

 ◆福島 千里(ふくしま・ちさと=陸上女子200メートル)ことし5月に日本女子で初めて23秒を切る22秒89を記録。100メートルも日本記録保持者。北海道・帯広南商高出、北海道ハイテクAC。164センチ、50キロ。22歳。北海道出身。(共同)

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2010年11月25日のニュース