野村、18歳に完敗…「弱くなった」引退も

[ 2010年11月22日 06:00 ]

男子60キロ級2回戦で敗退し、唇をかみ記者の質問に答える野村忠宏

 柔道講道館杯全日本体重別選手権最終日は21日、千葉ポートアリーナで行われた。柔道史上初の五輪3連覇を達成した野村忠宏(35=ミキハウス)は、男子60キロ級2回戦で世界ジュニア王者の志々目徹(18=日体大1年)に合わせ技で一本負け。08年4月の全日本選抜体重別以来の国内戦で惨敗し、強化指定選手への復帰も果たせず、12年ロンドン五輪への道が事実上断たれた。女子52キロ級では、昨年白帯で出場し3位となった16歳の山本杏=あんず=(桐蔭学園高)が優勝した。

 畳の上にうつぶせになり数秒間、野村が動けなかった。2回戦、18歳の内股で技ありを先行されたものの、有効を返した直後。強引な背負いを隅返しでつぶされ、技あり。2度も畳に叩き付けられ一本負けを喫した野村は「今まで築いた柔道の感覚と体の動きにズレは感じる。弱くなったなと思う」と話し、涙を必死にこらえた。
 大会後の強化委員会では強化指定選手復帰は見送られ、事実上、ロンドンへの道は断たれた。「今年が(ロンドンへ)タイムリミットで懸けてきた大会。往年の力はなかった」と吉村和郎強化委員長。篠原信一男子監督は「(天理大の)先輩としては残念、としか言えない」としながら「同じ力なら若手を使うのが方針」と言い切った。
 応援に駆けつけた家族、関係者に「ありがとう」と頭を下げた伝説の男は「気持ちがあっても(現役を)退くときは来るんだろうな、と思う」と引退の可能性をほのめかした。

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2010年11月22日のニュース