服部真夕 1年5カ月ぶり2勝目も“罰金”に悲鳴

[ 2010年4月26日 06:00 ]

<フジサンケイレディスクラシック最終日>2度目の優勝を決め、表純子(右)ら仲間から祝福の水をかけられ笑顔を見せる服部真夕

 女子ゴルフツアーフジサンケイ・レディース最終日は25日、静岡県伊東市の川奈ホテルゴルフコース富士コース(6464ヤード パー72)で行われ、服部真夕(22=INAX)が08年の樋口久子IDC大塚家具レディース以来、1年5カ月ぶりのツアー2勝目を飾った。首位からスタートして一時は2位以下に4打差をつけながらも、15番でダブルボギーを叩くなど後半は苦戦。それでも2バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの73でこらえ、通算7アンダーで逃げ切った。2打差の2位には藤本麻子(19=フリー)、朴仁妃=パク・インビ=(21=韓国)ら3人が入った。

【最終R結果


 「あっ、きょう1オーバーだ」と服部が気づいたのは、優勝を決めた後のスコア提出所に入ってからだった。岡本綾子の門下生には、オーバーパーの場合はダブルボギー1つにつき罰金を払うというルールがある。優勝賞金1440万円があれば痛くはないだろうが、免除はされない。「そうなんですよ~」と“罰金V”に悲鳴をあげた。

 初めて首位で迎えた最終日は、最後まで罰金制度を忘れてしまうほど息詰まる展開だった。前半終了時点で4打差をつけたが、風が勢いを増した後半に自らのミスでピンチを招いた。15番パー5の2打目、残り185ヤードから左にひっかけると、アゲンストの風にも押されてOB。ここでダブルボギーを叩き、3打あった藤本との差は1打にまで詰まった。

 初優勝の時は最終日最終組の2組前から3打差を逆転し、V争いの緊張感を感じる間もなかった。今回味わったのは、首位をキープし、集中力を維持し続ける難しさ。それでも「あのOBでまた気が引き締められた」と気持ちを切り替え、高麗芝のグリーンも強気のパットで攻めた。第2打を右の木に当てた16番、難度の高い17、18番でパーを死守して逃げ切った。

 飛躍を期待された昨年はケガなどもあって未勝利に終わり、思うように結果が出ず悩んでいた。「一生懸命やってるのに何でだろう」。だが、大会1週間前に師匠の岡本から届いたメールの「やってきたことは間違ってない」という言葉で心の中のモヤモヤが晴れた。プレー中も頭の中で師匠の言葉を唱え続け、「最後に崩れず、我慢できたところが成長」と胸を張った。

 服部優勝の知らせを聞いた岡本は「前半で朴仁妃が伸ばしていて優勝はないと思ってたけど、よかった。これが本当の優勝。棚ぼたじゃない優勝」と重圧をはねのけた弟子を称えた。「今季は勝つことが目標だったので、とりあえずそれはクリアできた。またこういうふうに優勝争いをしていきたい」。これから積み重ねていくのは、罰金よりも優勝の方がうれしいに決まっている。

 ◆服部 真夕(はっとり・まゆ) 1988年(昭63)3月3日、名古屋市生まれの22歳。10歳からゴルフを始め、美濃加茂高から名古屋商大に進学(08年1月に中退)。07年のプロテストにトップ合格し、同年の賞金シードも獲得。08年のIDC大塚家具レディースでツアー初優勝を飾った。得意クラブはLPGA公認ドライビングコンテストで優勝(259ヤード)したこともあるドライバー。1メートル66。57キロ。

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2010年4月26日のニュース