“朝青龍効果”を関係者一様に評価

[ 2008年1月28日 06:00 ]

結びの一番で白鵬が朝青龍を破った瞬間、国技館は座布団が乱舞

 大相撲初場所での復活優勝こそならなかったが、角界関係者は朝青龍について“みそぎは済んだ”との認識を示した。結びの一番を日本相撲協会のテレビで見守った北の湖理事長は「期待されて相星で千秋楽を迎えた。そういう意味では両方とも評価できる」とコメント。出場停止明けながら、15日間にわたり横綱の強さを示した朝青龍を白鵬とともに評価した。また、横綱審議委員会の海老沢勝二委員長は「精神力の強さ、集中力、気迫。彼は持ち味を15日間、維持した。評価してやりたい」と合格点を与え、石橋義夫委員も「朝青龍は完全復活した感じだ。白鵬もよく頑張ったし、2人の差は縮まったと思う。これからは2人の横綱で盛り上げてほしい」と話した。

 今場所の“朝青龍効果”は数字になって明確に表れた。前年初場所を上回る計1078本の懸賞金がかかり、千秋楽も1日としては史上最多の133本がかけられた。2年ぶりに7日間で大入りを記録し、満員札止めは5度。千秋楽は当日券350枚を求めて徹夜組を含む約500人が列をつくり、50分で売り切れた。3月の春場所についても2月10日の一般発売を前に関係者に“予約”が殺到するほどだ。

 昨年、問題横綱に右往左往させられた協会が、その効果にあずかる皮肉な結果。だが、これで「結果オーライ」としては、盛り上がりも一過性で終わる危険性がある。海老沢委員長は朝青龍の品格について「不安を昇華するような、礼儀正しい大横綱になってもらいたい」と注文を出すことも忘れなかった。

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2008年1月28日のニュース