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【コラム】金子達仁

U23日本の苦戦に見た2年後への頼もしさ

[ 2026年1月22日 11:30 ]

<U23アジア杯 日本・韓国>前半、ゴールを決め喜ぶ小泉(左から2人目)
Photo By ゲッティ=共同

 U―23アジア選手権に参加している21歳以下日本代表が、韓国を下して決勝進出を決めた。準々決勝のヨルダン戦に続き、内容的には不満の残る試合ではあったが、そこにある種の頼もしさを感じている自分もいる。

 まずヨルダン戦について。PK戦の末に辛くも振り切ったものの、負けていても不思議ではない内容だった。A代表が初のW杯出場を決め、国全体が勢いに乗った感のあるヨルダンが良かったというのもあるが、苦戦を招いた最大の要因は日本のミス、それも自陣でのミスにあった。

 出し手、受け手のどちらに問題があったかはともかく、日本が何回か犯したビルドアップ初期の段階でのパスの乱れを、ショートカウンターに活路を見いだそうとしていたヨルダンは見逃さなかった。結果、許してしまった先制点といくつかの決定機は、日本の重心を後ろ向きにさせ、前線での収まりの悪さも苦しい展開に拍車をかけた。

 だが、日本のベンチに焦りの色はなかった。むしろ、できていたことができなくなっていく苦境を、大岩監督は楽しんでいるようにすら感じられた。

 それを傲慢(ごうまん)と受け止める国もあるようだが、23歳以下の大会に21歳以下の選手で臨んでいる今大会の日本は、必ずしも結果を唯一無二の目標とはしていない。出場枠がわずかに「2」となってしまった2年後のロス五輪予選に向け、さまざまな状況を潜(くぐ)り抜けておくのも、大切なミッションだった。あっぷあっぷになりながらも、選手は苦境を乗り切り、かつ、PK戦ではGK荒木が圧倒的な存在感を見せた。「PKになっても大丈夫」――選手たちがそう実感できた意味は非常に大きい。

 1―0で辛勝した韓国戦も、後半の出来はさっぱりだった。これまた、原因ははっきりしている。強い風下に回ったことで、選手たちが相手を圧倒していた前半のやり方を自ら放棄してしまったから、だった。

 気持ちはわかる。前半は使えなかった前線への長いパスが、相手背後のスペースに留(とど)まりやすくなる。守る側からしても、非常にイヤな攻撃であることは間違いないのだが、隠された副作用の存在に日本の選手は最後まで気がつかなかった。

 自分たちがボールを保持する時間が、前半よりもずいぶんと短くなったことに。

 1点を追う立場となっていた韓国にとって、最悪なのは手も足もでなかった前半のやり方を日本に続けられること、だったはず。ところが、後半の日本は、背後を一発で衝(つ)くという攻撃の魅力にとりつかれたあまり、自らボール保持率を下げてくれた。当然、韓国側からすれば攻撃の機会は増える。後半の苦戦は、これまた必然だった。

 もちろん、そんなことは大岩監督も百も承知のはずだが、ここでも彼は対応を選手たちに委ねた。やるべきことを理解していた選手もいれば、そうでなかった選手もいたが、これまた、2年後を思えば大きな収穫である。特に、試合終盤主将を務め、背中でチームを引っ張った佐藤龍之介にとっては、ちょっとしたターニングポイントになるのではないか。

 決勝の相手は中国。おそらく、主導権は日本が握ることになるだろうが、相手GKが乗りまくっているのが気になる。GKはサッカーにおける炭鉱のカナリア。ここにいい選手が出てくると、国自体のレベルもあがってくる。日本としては、大化けする可能性もある中国の未来を、木っ端みじんに叩きつぶしておきたい。(金子達仁=スポーツライター)

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