×

J1福岡、執念ドローで残留決めた 救世主フアンマ3戦連発「出てない時も変わらず努力した結果」

[ 2022年11月6日 06:00 ]

明治安田生命J1最終節   福岡1-1浦和 ( 2022年11月5日    埼玉 )

福岡・フアンマ
Photo By スポニチ

 福岡は敵地で浦和と1―1で引き分けて14位をキープし残留を決めた。後半15分にFWフアンマ・デルガド(31)が同点ゴール。15位のG大阪、16位の京都も引き分けて試合前と順位に変動はなく、残留を懸けたJ1参入プレーオフには京都が出場する。シーズン中盤には8試合白星なしの苦境もあったが、フアンマの3試合連続得点でラスト3試合を2勝1分けとし、来季につなげた。

 福岡が残留争いをしのぎきった。ドローで14位フィニッシュ。長谷部茂利監督は「達成できて良かった」と胸をなで下ろした。

 フアンマが1点を追う後半15分、右サイドの湯沢からのクロスに頭から飛び込むと豪快にネットを揺らした。「練習で繰り返している形。素晴らしい得点を取れてうれしい」。これで3戦連続得点。残留が懸かった大事な最終盤で勝ち点獲得に大きく貢献し、チームの救世主となった。

 「シーズンを通してスタメンで出る回数は少なかったが終盤に信頼して使ってもらった。出てない時も変わらず努力した結果。チームに貢献できてうれしい」。こう胸を張りながらも「得点を取ったが主役じゃない。チーム全員で勝ち取った残留」。試合中の激しさが影を潜める控えめな言葉があふれた。

 指揮官も頼れるストライカーに「得点を取ることが一番難しい競技。それを3試合連続でやってのけた。攻守ともに貢献度も高い。両方でいいプレーをしてくれて本当に助かった」と惜しみない賛辞を送った。

 3万3000人以上の熱狂的な浦和サポーターの前で劣勢をはね返す執念。一時は参入プレーオフ圏内の16位に沈み、自動降格も危ぶまれた。リーグ終盤戦は先制されても追いつき、逆転する成長をみせた。3年連続となるJ1での戦いを手にしたが、総得点数はJ1最下位の29。指揮官は「来季の話というよりも、得点力が低いということは改善しなくてはいけない。どのチームでも同じ」と今季苦しんだ大きな課題を口にした。

 コロナ禍などの逆境の中、チームをまとめ2年連続の残留を決めた指揮官の手腕を川森敬史社長は「高く評価しています。単純に順位だけでははかれない」。続投要請の明言は避け、「選手とも監督とも向き合って早く決まればみなさんにもお伝えしたい」と話すにとどめた。今季目標とした10位以内は達成できなかった。来季もJ1でまだ見ぬ景色を追い求める。(村田 有子)

 ○…MF金森の目からは涙があふれた。残留を決め敵地に駆けつけたサポーターの元へあいさつに向かうと号泣。ユニホームで顔を覆った。「なかなか勝ちきれない試合もあったけど、変わらず応援してくれたサポーターの姿を見たらグッときて涙が止まらなくなった」。福岡出身の選手として誰よりもJ1残留にこだわった。出場機会を得られない苦しい時期もあった。「思うような結果は残せなかったが、今シーズンの反省を来年に生かしたい」。重圧から解放された晴れやかな顔で誓った。

続きを表示

2022年11月6日のニュース