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【佐々木則夫氏の目】気になった柴崎の消耗度 ボランチに原口起用もいいのでは

[ 2021年10月8日 19:20 ]

W杯アジア最終予選B組   日本0―1サウジアラビア ( 2021年10月7日    サウジアラビア・ジッダ )

ヘディングで競り合う長友(5)=ロイター

 日本代表は7日、サウジアラビア・ジッダで行われたW杯アジア最終予選、サウジアラビア戦に0―1で敗れた。3試合で1勝2敗と7大会連続W杯出場へ厳しい戦いの続く森保ジャパンの戦いぶりを、元なでしこジャパン監督でスポニチ本紙評論家の佐々木則夫氏(63)が分析した。

 W杯予選の厳しさを痛感した試合だった。サウジアラビアは攻撃のバリエーションは少なく、日本はCBが真ん中を固めていたので、サイドからのクロスとセットプレーを警戒すれば良かった。だが、スタジアムには6万人が入り、久々のアウェー独特の雰囲気に加えて暑さ、中東特有の身体能力が敵だった。

 決勝点は柴崎のバックパスのミスからだが、私は後半開始直後から、柴崎の消耗が気になっていた。プレッシャーもないのにパスミスしたり、簡単にボールを奪われる場面があり、「交代かな」と思っていた。しかし最初の交代は南野と浅野。森保監督は柴崎を攻守のキーマンと考え、この試合を彼に託したのだろう。

 だが、暑さは体力だけでなく、判断力も低下させる。柴崎とマッチアップしていた選手は体が大きく、激しく当たられ、ボールをキープしているときに長い足でチャージされて予想以上に疲労していたと思う。展開を切り換えようとしたものの、状況判断が良くなく、相手に奪われてしまった。ボランチの控えは田中や板倉、中山で攻撃に特徴を持つ選手ではない。攻撃のスイッチが入れられる柴崎を下げる判断は難しいが、5人まで交代できるので思い切っても良かったと思う。

 3試合で2敗、長距離移動し、時差もある中で中4日で3戦全勝の強豪・オーストラリアと対戦する。切り換えるしかないが、ここまで内容は悪くない。前線の2人を見ながら早いパスで攻めることなどはできている。ここは「まだ3試合」と考えて、「もう一度対戦がある。まずは次の試合に勝てばいい」と割り切ること。勝てばオーストラリアと勝ち点差が縮められるだけに、コンディションを整えてほしい。

 柴崎のコンディションが整わないなら、チームでボランチをやっている原口を試してみてもいいと思う。(元なでしこジャパン監督)

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