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レアル移籍久保 壮行セレモニーで決意「世界に羽ばたく」

[ 2019年6月30日 05:30 ]

いってらっしゃい!壮行セレモニーでFC東京の仲間から胴上げされる久保
Photo By スポニチ

 スペイン1部レアル・マドリードに移籍した日本代表MF久保建英(18)が29日、東京都調布市の味の素スタジアムでのFC東京―横浜の試合後に行われた壮行セレモニーで「世界のタケフサ」となることを力強く誓った。レアルには7月上旬に合流する見通しで、プレシーズンではジダン監督の率いるトップチームで練習メニューを消化する予定。FC東京、そして森保ジャパンで歴史を塗り替えてきた“日本の至宝”の新章の幕が上がる。

 冷たい雨が降りしきる中「タケフサ」コールが響き渡る。大型スクリーンはFC東京の下部組織に加入した15年からの軌跡が流れる。Rマドリードへと移籍した18歳は、会場に集まった3万3705人を前にした壮行会で堂々とピッチに立った。

 まずはマイクスタンドを18年8月から約半年間、期限付き移籍した横浜サポーターが集まる一角に向けて、古巣に感謝の言葉を述べた。そして再びFC東京のサポーターに向き直ると盛大な拍手で迎えられた。

 「元FC東京の久保建英です。いいことばかりではありませんでしたが、みんなの力も借りて、一人前のサッカー選手としてFC東京を背負って世界に羽ばたけることを誇らしく思います。(バルセロナから)日本に帰ってきて約4年、行きたくなくなるくらい濃い時間だったし、苦渋の決断でした。本当にありがとうございました」

 スペイン国内の期待は日に日に高まっている。現地紙アス(電子版)は「日本では代表の新たな皇帝の台頭を目撃している雰囲気にある」と久保を特集。スポルト(電子版)は「久保はトップチームでプレシーズンを過ごす。ジダン監督が日本代表のポテンシャルと人柄を間近で見ることを望んだ」と報道した。プレシーズンはレジェンドの下で腕を磨く。トップチームは7月8日にマドリードに集合し、9日に合宿地カナダに出発予定。17日に開幕するインターナショナル・チャンピオンズ杯で“銀河系軍団”の一員としてお披露目される可能性もある。

 ただ、目の前に広がるのは平たんな道ではない。19~20年シーズンは3部リーグ所属のレアルBでプレー。8月18日に開幕するリーグ戦や日々のトレーニングで金の卵と切磋琢磨(せっさたくま)し、ふるいにかけられた先にはベルギー代表MFのE・アザールらワールドクラスが待つ。だが、日本では壁にぶつかるたびに、クラブスタッフもあきれるほど居残り練習に明け暮れ、乗り越えてきた。

 セレモニーの最後にはFC東京の選手たちからはなむけとなる4回の胴上げを受けた。「世界のタケフサ」となるために、再挑戦する欧州の地に乗り込む。 

 ≪室屋、後輩にエール≫今季、右サイドでコンビを組んだ日本代表DF室屋がスペインに旅立つ後輩に言葉を贈った。「試合が終わって、建英がサポーターから愛されていると凄く感じた。18歳ですでにお金を払って見に来たくなる選手だというのが凄いと改めて思った」。久保の移籍が決まってから2連敗を喫したが「攻撃の中心になっていた選手がいなくなれば苦しくなるのは当然」とし、「僕たちももっとやらなきゃいけない」と気合を入れ直した。

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