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星槎国際湘南 創部わずか5年目V!“バルサ戦術”学び黄金期到来の予感

[ 2019年1月14日 05:30 ]

第27回全日本高校女子サッカー選手権決勝 ( 2019年1月13日    神戸ユニバー記念競技場 )

<全日本高校女子サッカー選手権決勝>拳を突き上げ、優勝を喜ぶ星槎国際湘南の選手たち(撮影・後藤 大輝)
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 星槎(せいさ)国際湘南(神奈川)が大会最多5度の優勝を誇る強豪、常盤木学園(宮城)を1―0で破り、大会史上最速の創部5年目で初の全国制覇を果たした。星槎国際湘南は前半23分、DF黒柳智世(2年)のFKで先制し、前線からの速い寄せによる組織的な守備で1点を守り切った。夏の高校総体の覇者、常盤木学園の6大会ぶりの復活Vはならなかった。

 創部わずか5年目での頂点。その歴史的瞬間を星槎国際湘南イレブンはとびっきりの笑顔で迎えた。

 「勝ったらみんなで笑おうって…。でも何で、私、泣いてんだろう」。DF渋谷主将は顔をクシャクシャにして泣き笑い。笑顔の仲間と抱き合いながら喜びを分かち合った。

 冬の選手権の勝ち星は初出場だった14年度の1勝のみ。最近3大会は全て初戦敗退で、昨年のU―20女子W杯の優勝メンバー宮沢ひなたを擁しても越えられなかった壁を一気に越えた。「チーム力は去年の方が上でした。いろんな人の支えと失敗の上に今のチームはある」と柄沢俊介監督。日本一だった大目標を眼前の勝利に切り替えて4年ぶりの初戦突破。この1勝で選手から力みが消えた。決勝点は「右足を思い切り振り抜きました」というDF黒柳の30メートル弾。黒柳にとっては高校初体験のFKによる得点だった。

 選手は学校で女子サッカーを専攻。教室ではバルセロナなどの映像を教材に世界最先端の戦術を学ぶ。テクニカルアドバイザーはW杯優勝経験もある元西ドイツ代表リトバルスキー氏。神奈川県1部リーグのOSAレイアFCを頂点としたユース、ジュニアと3世代一貫指導体制の下、辛酸をなめた卒業生と切磋琢磨(せっさたくま)できるのも短期間での伝統醸成を可能にした。「勝って反省を」という指揮官の言葉が黄金期の到来を予感させる。

 ▽星槎国際高 北海道芦別市に本部のある通信制で1999年設立。北海道、宮城、福島、東京、神奈川、大阪、広島、福岡、沖縄などに学習センターが設置されている。湘南学習センターは2015年4月に開校。プロ野球オリックスの本田仁海投手は星槎国際湘南の野球部OB。

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