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岩本輝雄の目 ブラジルに完敗 度肝抜かれたカウンターの速さ ポジティブに考える

[ 2017年11月11日 18:16 ]

前半、得点を決め喜ぶネイマール(左から2人目)
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 ハリルホジッチ監督率いる日本代表が11月10日にフランスのリールでブラジル代表と対戦。1―3で完敗しました。FIFAランクは日本の44位に対してブラジルが2位。今回のワールドカップ(W杯)南米予選もダントツの首位で通過したブラジルが世界の強豪国であることは今さら言うまでもないことですが、それにしてもびっくりしました。ブラジルの強さはここまでか、と。

 私は海外にも年間30試合程度足を運び、テレビ観戦も含めれば1年で何百と試合を見ています。ですが、さすがにブラジルのカウンターの速さには度肝を抜かれました。特にウィリアン(チェルシー)、ダニーロ(マンチェスターC)とボールが渡り、ガブリエウ・ジェズス(マンチェスターC)に決められた3点目はすごかった。斜めに走るダイアゴナル・ランで入っていって、ドリブル、オーバーラップ、そしてクロスの質。テレビで見てあれだけすごいのですから、実際に試合で体験した日本代表選手たちの衝撃はそれ以上のはずです。あのカウンターは防げません。世界はこれだけすごいのだと選手たちは改めて痛感したと思います。

 ただ、ポジティブに考えれば、W杯本番まであと7カ月というこの時点で世界のトップとはこれだけ差があるんだと分かったことは良かったとも言えます。日本が失点したシーンは、日本が攻めた時。つまりカウンターでやられたわけです。世界のトップはボールの奪いどころを見逃さない。そして、きっちり決めてくる。それを体感できたことを前向きに受け止めたうえで、槙野のヘディングシュートで1点を返したシーンも、途中出場した長身FWの杉本がヘディングでゴールネットを揺らしたシーンもありました。杉本のシュートは残念ながらオフサイド判定で得点は認められませんでしたが、セットプレーはやはりチャンスがあるということです。たとえ、どんな強豪国と戦っていても、です。

 12月1日には、来年6月に開幕するW杯ロシア大会の組み合わせ抽選会がモスクワで行われます。現在の日本代表の力でブラジルに勝とうとしても厳しいと言わざるを得ませんが、W杯で必ずブラジルとぶつかるとは限りません。その前に色々な国と対戦する可能性があります。ハリルジャパンが7カ月後にどんな戦いを見せてくれるのか。抽選会の結果が今から楽しみで仕方ありません。(岩本輝雄=元日本代表MF)

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2017年11月11日のニュース