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G大阪、0―2から3発で広島粉砕!逆転1冠 宇佐美男泣き

[ 2014年11月9日 05:30 ]

<G大阪・広島>ナビスコ杯優勝に感極まり、涙を流す宇佐美。右は、今野

ナビスコ杯決勝 G大阪3―2広島

(11月8日 埼玉)
 涙の初タイトルだ。8日ナビスコ杯決勝が行われ、G大阪が2点のビハインドをはね返して広島に3―2で逆転勝ち。7年ぶり2度目の優勝を飾った。主力として、初めて主要大会の決勝戦でプレーしたエースFW宇佐美貴史(22)は、FWパトリック(27)の同点弾をアシスト。J1復帰初年度での優勝をベンチで見届けるとうれし涙があふれ出た。

 あふれる感情を抑えることはできなかった。終了間際、ベンチに退いていた宇佐美の頬を、大粒の涙が伝う。優勝を告げるホイッスルが鳴り響くとピッチに歩み出した。長谷川監督に肩を抱かれ、顔をうずめて涙を拭った。視線を上げれば選手やスタッフらの喜ぶ姿。再びこみ上げてきた。ピッチにしゃがみ込んで顔を覆った。

 「今まで、試合中に涙を流したことも、勝って泣いたこともなかった」

 それほどまでに欲しいタイトルだった。優勝は09年の天皇杯、12年のドイツ・バイエルンMでの欧州CLと経験しているものの、ともに出番なし。中心となって狙う初めての優勝への強い思いが、起死回生の同点アシストを生んだ。後半9分、ドリブル突破から相手守備の頭上を越える絶妙の浮き球でパトリックの同点ゴールをアシスト。同26分の大森のヘディングでの決勝点を呼び込んだ。自身はシュートはなかったが、「どういう形でも貢献しないといけないと思った」という勝利への執念で確かな輝きを放った。実は満身創痍(そうい)の中でのプレー。宇佐美は右足首や膝などに負傷を抱えていたが、「大丈夫です」とエースとして気丈に振る舞い続けた。

 西野監督(現名古屋監督)の下で、05年にJ1、08年にアジア制覇を果たした「黄金時代」のチームは攻撃力が自慢だった。当時を知る遠藤、明神らベテランに、宇佐美ら新たな才能が加わり、J2降格の屈辱を味わったG大阪は新黄金時代へと一歩を踏み出した。夢の3冠へ向けて残すは2つ。22日にリーグ戦の大一番・浦和戦、26日には清水との天皇杯準決勝が控える。宇佐美の夢にはまだ続きがある。

 ≪2点差逆転Vは史上初≫G大阪が2点のビハインドを逆転して7年ぶり2回目の戴冠。過去ナビスコ杯決勝での逆転優勝は93年のV川崎(0―1→○2―1)99年の柏(1―2→☆2―2=PK勝ち)に次いで3度目。2点差を逆転しての優勝はG大阪が史上初めてだ。

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