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【オシム分析1】次期監督候補アギーレ氏は必ず結果出す ただし…

[ 2014年7月3日 10:20 ]

日本代表の次期監督候補のハビエル・アギーレ氏。C大阪・フォルランとの“ホットライン”で情報収集も

 日本代表の次期監督候補に元メキシコ代表監督のハビエル・アギーレ氏(55)の名前が挙がっている。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(73)はどう捉えているだろうか。

 ザッケローニ監督の後任として元メキシコ代表監督のアギーレの名前が挙がっていると聞いた。アギーレは欧州でも知られている。メキシコのほかスペインのサラゴサ、Aマドリードなど多くのチームで指揮を執った。

 現役時代は中盤の選手で、86年の地元W杯でベスト8になった時のメンバー。当時のメキシコ代表監督は私と同じ旧ユーゴスラビア出身のミルチノビッチだった。確かアギーレは準々決勝の西ドイツ戦で退場になった記憶がある。(メキシコはPK戦で敗れた)

 監督としては守備的な戦術家だという印象がある。どんなチームを引き受けても必ず結果を出し、サプライズを起こす。守備のスペシャリストだといっていい。日本の弱点が守備だから、ちょうどいいかもしれない(笑い)。日本の成長を助けてくれるか注目に値する。

 ただし、ザッケローニのやり方とは違う方法だ。アギーレがもし監督になったとしても、そのやり方の定着には長い時間がかかるだろう。短期的には忍耐が必要だ。長期的には継続性をどう確保するか。一つのチームでも、長い間選手たちがともにプレーして、あうんの呼吸を身につける必要がある。日本サッカー界全体の方向性を探り、それが浸透するのにはもっと時間がかかる。その意味でも、ザッケローニの遺産をどう生かすかを考えるべきだ。アギーレが就任するかどうかとは別の問題として「チャオ、ザック、アリベデルチ(イタリア語でさようなら)」で簡単に済ませてしまってはいけない。

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2014年7月3日のニュース