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ザックJの誤算 先発ボランチ「遠藤&長谷部」をやめて崩れたバランス

[ 2014年6月27日 09:12 ]

コロンビア戦後、肩を落とす本田(右)を遠藤が慰める

 史上最強と期待されながら、力を出し切れなかったザックジャパン。その大きな要因のひとつが、ザッケローニ監督の采配だった。

 (1)ボランチの人選 指揮官はこの4年、主力メンバーをほぼ固定しチームの成熟を図った。12~13年シーズンに所属したボルフスブルクでサイドバック起用が増え、ボランチとして一時出場機会がほとんどなかった長谷部、年齢による衰えを指摘され始めた遠藤に固執しながら、総仕上げに入るべき本大会直前から遠藤の出場機会が激減した。

 山口の成長もあったのだろうが、ボランチはチームの攻守の要で心臓部。ある選手も「遠藤、長谷部で攻守のバランスが取れていた。山口が悪いわけではない。でも守りの山口が入ってそれまでのバランスが崩れた」と指摘。イタリアメディアも「後ろからの組み立てが乏しく前線に良いボールが配球されなかった」と疑問を呈した。

 (2)引き出しの少なさ 本大会では最大の強みである左サイドが徹底マークに遭った。そんな状況を打開するのが監督の本来の仕事。指揮官は就任会見で「カメレオンのように状況に応じてシステム変更できるようにしたい」と語り、自らの代名詞でもある3―4―3システムにも多くの時間を割いた。だが、大会前に「時間が足りなかった」とあっさり諦めた。その消極的な姿勢は選手にも乗り移った。劣勢に立ったときに采配がばたつく傾向が目立ったが、最後まで修正できなかった。

 (3)大舞台の経験不足 そもそもザッケローニ監督は代表を率いるのもW杯出場も今回が初。ACミランをリーグ優勝に導いた経験はあるものの、実は大きな国際大会はミラン時代の欧州CL1度だけ。それもグループリーグで敗退している。チームは11年アジア杯、昨夏のコンフェデ杯、東アジア杯と大きな大会では必ず初戦に苦戦。コロンビア戦後「コンフェデ、W杯で大会の入り方をミスした」と話したが、最も重要な初戦に向けメンタル面などの調整をするのが大きな役目のはず。この発言は自らのミスを認めているも同然だった。(特別取材班)

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2014年6月27日のニュース