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永井、44年ぶりメダル王手弾!準決勝も「大丈夫」

[ 2012年8月5日 06:00 ]

<日本・エジプト>前半14分、先制ゴールを決め駆け出す永井

ロンドン五輪 サッカー男子準々決勝 日本3-0エジプト

(8月4日 マンチェスター)
 サッカーで日本が男女そろって4強入りした。男子の日本は4日の準々決勝でエジプトに3―0で快勝。銅メダルを獲得した68年メキシコ五輪以来44年ぶりに準決勝に進出した。前半14分に永井謙佑(23=名古屋)が先制点。後半には吉田麻也(23=VVVフェンロ)、大津祐樹(22=ボルシアMG)が加点した。7日(日本時間8日午前1時)の準決勝では初の決勝進出を懸け、メキシコと戦う。準決勝のもう1試合はブラジル―韓国に決まった。

 「夢の劇場」で歴史的快挙を達成した。主役は永井だ。前半14分、右サイドの清武からのクロスに合わせ、50メートル走5秒8の快足でゴール前へ走る。飛び出した相手GKより先にボールに触り保持すると、無人のゴールへ右足で蹴り込んだ。「キヨ(清武)がうまくスペースに出してくれた。入れるだけでした」と謙遜したが、マンチェスターUの本拠オールド・トラフォードの観客7万772人の度肝を抜いた。

 2日にチームで食事会を開いたマンチェスター市内の日本料理店で香川真司(マンチェスターU)と遭遇し激励された。その同い年の盟友よりも一足先にオールド・トラフォードでゴールを刻んだ。1次リーグ・モロッコ戦で五輪初ゴールを決め、プレミアリーグのウェストハムなど海外のクラブのスカウト陣から高評価を受けた。今大会2ゴール目でさらなる注目を集めることは必至だ。

 少年時代から「世界最速」に憧れた。小学校の卒業文集では00年シドニー五輪の陸上男子100メートル優勝者の名を挙げ「モーリス・グリーンよりも速くなりたい」と書いた。現在の“目標”は100メートルの世界記録保持者で今五輪に出場しているウサイン・ボルト。「(4強から入れる)選手村に行かないと会えない」と話していたが、ロンドン切符を自らの決勝弾でゲット。世界最速男に会うチャンスを引き寄せた。

 代償も払った。ゴール後、相手選手と接触し左太腿を打撲。一度はピッチに立ったものの、前半20分に斎藤と交代し、担架でスタンド内に消えた。日本協会は軽症で病院にも行かないと発表したが、サッカーの聖地ウェンブリーで行われる準決勝は7日。万全な状態でピッチに立てるのか心配される。それでも永井は「大丈夫です」と言い切った。優勝した10年アジア大会でも大会中に左太腿を打撲しながら驚異的な回復で貢献したことに触れて「アジア大会も打撲が治ったから」と出場に意欲を示した。

 前回4強に入ったメキシコ五輪は準決勝で敗れた。くしくも44年前に3位決定戦で破り銅メダルを確定させたメキシコと準決勝で顔を合わせる。永井は「目指すのはもっと上。塗り替えるというより(歴史を)どんどんつくっていきたい」。見据えているのは初の決勝の舞台だ。

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