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まさにエース!清武、2発アシスト「決勝まで行きたい」

[ 2012年8月5日 06:00 ]

<日本・エジプト>パスカットから前線の永井へ見事なアシストパスを送る清武

ロンドン五輪 サッカー男子準々決勝 日本3-0エジプト

(8月4日 マンチェスター)
 エース清武弘嗣が2アシストを含む全得点に絡む活躍で日本を4強に導いた。

 まずは前半14分、前線からの激しいチェックで相手からボールを奪取。「謙ちゃん(永井)が見えたので信じて蹴った」とゴール前中央に走り込んだ永井へ正確な右足のアーリークロスを送り先制弾をアシスト。さらに後半33分にはFKで吉田のゴールをお膳立てし、3点目の起点にもなった。「相手DFは体が大きかったけど、スピードがないのは見極めることができた」。相手の弱点を突いて攻守に大車輪の活躍を見せ、胸を張った。

 「一番輝く色のメダルを獲りたい」。期待が大きい女子に比べ、注目度の低かった男子。それでも清武は終始、自らにプレッシャーをかけるかのように高い目標を口にし続けた。その高い頂に向けて着実に進んでいる。

 所属するドイツ1部ニュルンベルクのヘッキング監督も清武に金メダルを期待していると、ドイツ紙ビルト(電子版)が4日、報じた。「キヨタケに金の指令」という見出しで「キヨはメダルを獲ってニュルンベルクに戻ってくるべきだ。決勝での勝利の後なら最高だ」との同監督の談話を紹介した。新天地の指揮官の期待に応えるように、気持ちのこもったプレーを披露した。開始32秒、永井の左サイドからのクロスを頭で合わせた。ゴールにはならなかったが、ゴールへ向かう姿勢がチームに火を付けた。

 大分U―18に在籍していた頃、大舞台を前にして決まって離脱するのが清武だった。高校2年時の全国大会直前に虫垂炎を患ったこともある。当時、指揮を執っていた村田一弘氏(現C大阪ユースヘッドコーチ)も「大事なときはいつもいなかった」と苦笑いで振り返る。だが、苦手だった筋力トレーニングに本格着手し、ケガも克服。下を向かずに必死に努力を続けてきたからこそ今がある。もう、かつてのひ弱な姿はなかった。

 「決勝まで行きたい」。ザックジャパンでも不可欠な存在となった男が、有言実行の活躍で関塚ジャパンの攻撃陣をけん引した。

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2012年8月5日のニュース