×

中京大中京初の8強!驚異の1年生・宮市が兄超え2発

[ 2012年1月4日 06:00 ]

<中京大中京・済美>前半39分、中京大中京・宮市(中央)が先制ゴールを決め、歓喜のジャンプ

全国高校サッカー選手権3回戦 中京大中京3―2済美

(1月3日 駒沢)
 俺も宮市だ!今大会注目の1年生FW宮市剛(16)が2ゴールの活躍で中京大中京(愛知)を初のベスト8に導いた。済美(愛媛)と対戦し、前半39分に左足で先制弾を決めると、後半2分には右足で2点目。前日の2回戦ではアーセナルでプレーする兄・亮(19)が果たせなかった大会1勝を挙げたが、大会通算得点も“兄超え”を達成。大器の片りんを見せつけた。5日の準々決勝で四日市中央工(三重)と対戦する。
【3日試合結果 トーナメント表】

 スター誕生のにおいがぷんぷんする。力強いドリブル突破に、「まだ伸びている」と本人も認める1メートル85の長身を生かした身体能力。話題の1年生FW宮市が、スケールの大きさを見せつける2発で、中京大中京を初の8強へと導いた。

 「もう…本当にうれしいです。全国大会で点を決められて最高です。初戦より緊張することなくできて良かったです」

 コメントは初々しさ全開の1年生。だが、偉大なる兄・亮に負けない“宮市ショー”は前半39分に始まった。DF河合の左クロスにゴール前で反応。MF荒木が落としたボールを右足でトラップすると、その右足を軸足の前から巻き込むようにして、最後は持ちかえた左足を振り抜いて先制ゴールを叩き込んだ。後半2分にはMF熊谷のスルーパスに走り込み、ペナルティーエリア内で相手DFを振り切って右足で強引にゲット。「2点ともきれいに決まったかなって思います」。既に多くの女性ファンも持つ、兄譲りのイケメンがうれしそうにはにかんだ。

 前日の作陽(岡山)戦はPK戦の末に初戦突破。この日朝には兄から「きょうも絶対勝って来いよ」とメールを受け取った。兄は2大会連続出場を果たしながら勝利は挙げられず、2年生で1試合無得点、3年生で1試合1得点。既に大会2勝、1試合2得点、通算2得点で尊敬する兄を超え「2点取ったよってメール打ちました」という声にも喜びがにじんだ。

 FWとしてJ1通算54得点をマークしている岡山哲也監督(38)は試合前にスタッフと「きょうは宮市が1点決める」と予言していた。それを上回る活躍に「もともとポテンシャルは高いが、このゴールで1つ上にいけると思う」と脱帽。「うちのエース」と目尻を下げるのも無理はなかった。

 愛知県勢としては28大会ぶりの8強進出。9月のプリンスリーグで2―11と大敗した四日市中央工(三重)との対戦に「今なら互角に戦えると思う」。宮市の優しい目が鋭く光った。

 ◆宮市 剛(みやいち・つよし)1995年(平7)6月1日、愛知県岡崎市生まれの16歳。兄・亮の影響で5歳からサッカーを始め、兄と同じシルフィードFCジュニアから名古屋ジュニアユース。昨春、兄の勧めで中京大中京に進学した。好きなサッカー選手はACミランの元スウェーデン代表FWイブラヒモビッチ。1メートル85、67キロ。足のサイズは27センチ。血液型AB。

 ▼済美DF久保 脅威です。3年になった時がすっごく怖いですね(笑い)。体もでかいし、スピードもある。裏に抜け出されるのが嫌だった。ほんっと、嫌なタイプでした。(自身は慶大に進学してプロ入り目指す)

続きを表示

この記事のフォト

2012年1月4日のニュース