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いきなりダイビングヘッド!ゴン魂の4分48秒

[ 2010年3月8日 06:00 ]

<鳥栖・札幌>後半ロスタイムから出場し、ボールへの闘志を見せつけた札幌FW中山雅史(左)

 磐田からJ2札幌に移籍したFW中山雅史(42)が鮮烈なJ2デビューを飾った。J2第1節最終日の7日、札幌は鳥栖との開幕戦を1―1で引き分けた。中山は、負傷したFW近藤祐介(25)に代わり後半ロスタイムから出場。ダイビングヘッドでゴールに迫ると、守備でも奮闘した。わずか4分48秒のデビュー戦だったが“ゴンイズム”で札幌が変わり始めている。

【試合結果


 スタジアムの空気を一変させた。1―1で迎えた後半ロスタイム。近藤が接触プレーで首を負傷。突然やってきた出番だったが「やってやろうと思った」。中山は気合十分にピッチに駆けだした。直後のファーストタッチ。ゴール前に走り込むとMF砂川のクロスに体を投げ出した。ダイビングヘッドによるシュートはポストのわずかに左へ。「外れたように見えたけど、あれは本当はコーナー(CK)だよ。もう少し首の力が強ければ(入ってた)ね」と悔しがったが、それまで劣勢だった流れを変えるには十分な一撃だった。

 ボールに絡んだのは2回だったが、大声でチームを鼓舞し、スライディングタックルでピンチの芽を摘んだ。闘志あふれる姿、泥臭いシュート、献身的な守備。4分48秒にすべてを込めた。

 スタートは不本意だった。右足内転筋付着部炎で1月18日の初練習から別メニューが続いた。それでも翌日からのグアムキャンプにも高圧酸素カプセルを持ち込み、毎日2時間入り、トレーナーからも2時間のマッサージを受け続け、2月8日に全体練習に合流した。

 “ゴン効果”はすぐに表れる。「ゴンちゃんはいるだけで違う」と石崎監督。率先して声を出し、おとなしかったチームに活気が生まれた。居残りで黙々と汗を流す姿に「ゴンさんがあれだけやっているのにやらないわけにはいかない」(GK佐藤)と居残り練習が日常化した。練習量が増えた成果なのか、この日も最後まで集中が切れなかった。中山は「逆転されなかったのは良かった。勝ち点1でもいいんじゃない」と振り返った。

 13日は札幌ドームでホーム初戦(対福岡)を迎える。石崎監督は「まだ分からない。状況によってじゃろう」と中山の起用法を明言しなかった。だがFW陣はケガ人が続出。ゴンが、赤黒のサポーターの待つ北海道で力を発揮する場面が見られそうだ。

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2010年3月8日のニュース