【日本ダービー】ポイントは…東京芝2400メートルを歩く 

[ 2024年5月25日 05:26 ]

東京競馬場。スタンド全景(撮影・河野 光希)
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 東京本社・高木翔平が今週、実際にダービーで使用する東京芝2400メートルを歩いて確認。JRAの馬場の“スペシャリスト”の解説と共に最新の馬場情報をお届けする。

 (1)1角~2角
 東京芝2400メートルは正面スタンド前からスタート。ゲートから、ほぼ平たんな直線を約350メートル走り、“最初の勝負”となる1コーナーを迎える。東京競馬場・馬場造園課の田中健課長は「昨年はまさに絶好という状態でしたが、今年も例年並みに芝は生えそろっています。内外での芝の状態差はないだけに、(ダービーが内枠有利とされるのは)単純に距離ロスを抑えられた馬は有利に運べるということでしょう」と説明。6週目を迎えた今週からCコースを使用し、傷んだ部分をカバー。各馬が狙うのは絶好のインコース。先行力のある馬、外枠から切れ込む必要のない内枠勢が、思い通りのポジションをゲットしそうだ。

 (2)向正面
 スタンドの大歓声が遠くなる向正面。1コーナーでのポジション争いを終え、いかに素早く気持ちを落ち着かせられるかがポイントとなる。そして、目の前に見えてくるのは、田中課長が「私が初めて東京競馬場のコースを歩いてみて驚いたのが、3コーナーに向かうまでに想像以上のしっかりとした上り坂があるということですね」と話す勾配。急激なペースアップが起こりやすい1冠目・皐月賞の3コーナー前とは違い、ここはグッと我慢が必要。極端なスローペースを嫌った17年レイデオロのような早仕掛けがない限り、各馬が息を入れながら勝負のタイミングを待つ。

 (3)3角~4角
 向正面後半の上り坂が終われば、短い平たん部分を挟み、3コーナー手前から再びの下り。4コーナー手前から緩やかな上り坂となる。レース映像では確認が難しいが、この区間は小刻みなアップダウンが繰り返される。内ラチから約3、4頭分の位置を指した田中課長は「通常はここくらいまでで馬群が固まります。東京の直線は長くて広いので馬群がばらけやすいということもあり、(コーナーから)極端に外を回る馬は少ないイメージです」と説明。後方組の中にはこのあたりから前との位置を詰め始める馬も。後方待機で末脚勝負に懸けた上位人気馬が強気の仕掛けなら思わぬペースアップもありそうだ。

 (4)直線
 マンモススタンドの大歓声に迎えられ、精鋭17騎が直線へ。直線距離は525.9メートル。ラスト460メートルから300メートルまでの160メートルが高低差2メートルの上り坂。中山や阪神のような急坂ではなく、府中の通称“だらだら坂”が待つ。田中課長は「外側よりも内の方が傷みやすいですが、茶色くなっている部分もしっかり野芝の根が張っている状態です。完全に砂地が出てしまった部分を踏んで走ると減速してしまうのですが、今年は内外関係なく伸びてこられる状態だと思います」と胸を張る。フラットなコース設定に、芝のコンディション。馬群が広がり、ほとんどの馬が進路を確保する。インをロスなく立ち回った馬か、外から勢いを付けられた馬か――。栄光の瞬間へ、死力を尽くした人馬が伸びてくる。
 

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