【天皇賞・春】タイトルホルダー泰然自若!長距離王座確立へ万全の仕上がり

[ 2022年4月28日 05:30 ]

ウッドチップコースで追い切るタイトルホルダー(撮影・郡司修)
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 菊のタイトルの誇りを胸に。春の古馬最高峰決戦「第165回天皇賞・春」(5月1日、阪神)の最終追い切りが27日、東西トレセンで行われた。美浦Wコースでは、メンバー唯一のG1馬タイトルホルダー(牡4=栗田)が横山和生(29)を背に貫禄の動き。長距離部門での王座を確立すべく万全の仕上がりを誇示した。出走馬と枠順は28日に確定する。

 「サラブレッドは肺で走り、心臓で頑張る」という。競走馬にとっての“エンジン”と形容される心肺。その心肺が収納された胸の奥行きの深さは、名ステイヤーに共通する。Wコースへ入場するタイトルホルダーの胸は、無尽蔵のスタミナを誇示するように、限りなく大きかった。

 その体力をまざまざと見せつけた最終追い。「先生からは“前に馬を置くので、あとは和生のさじ加減で”という指示。またがった時からしぐさ、雰囲気が良かった」(横山和)と、序盤から軽快にラップを刻んだ。全体時計の6F81秒4、5F65秒0はコース追いした天皇賞・春組で最速。無理して出した時計ではなく、5馬身先行した僚馬ダルムシュタット(5歳2勝クラス)が直線で強く追われる中、タイトルホルダーは馬なりのまま。ラスト1F12秒1で楽々と併入した。鞍上は「手応えが良かった。高いレベルの状態にある」と好感触に笑顔を見せた。

 昨秋、菊花賞でセイウンスカイ(98年)以来の逃げ切りを決めてG1馬の仲間入り。天皇賞・春は近7年で菊花賞馬が6勝と、菊のタイトルは圧倒的な意味を持つ。栗田師は「菊花賞を勝ちきったことがここにつながる。3200メートルも心配していない」。これまでの全4勝が逃げ切りとあって、作戦も注目を集めるが「逃げた方がこの馬の持ち味が生きるとは思う。ただ、競馬なので決めつけず、騎手と馬のコンタクト、信頼関係を大切にレースをしてほしい」と人馬への全幅の信頼を口にした。

 昨年の有馬記念後に右後肢を痛め、一時は出走も危ぶまれた春の大舞台。驚異的な回復力でカムバックし、上昇途上だった前哨戦の日経賞を勝ちきった。栗田師は「前走は左右のバランスや手前替えなど課題があった中での勝利。今回は力みが取れて体の張りが出てきた」と上昇を約束。横山和は「不安材料が多い中で勝てたのは僕にとっても自信になった。本番を見据えてのレースをしたので、今回は自信を持って乗れる」と言い切った。「不安はない」。指揮官と鞍上から異口同音に飛び出した力強い言葉に、盾獲りへの自信が強くにじんでいた。

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2022年4月28日のニュース