【チャンピオンズC】アナザートゥルース、ミルコで大金星再び!しっかり走る左回り“奇襲”ブリンカー外し

[ 2020年12月2日 05:30 ]

アナザートゥルース
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 今秋のG1は、ここまでの7戦全てで1番人気馬が勝利。今週の「第21回チャンピオンズC」にも、国内8戦無敗という大駒クリソベリルがスタンバイしている。穴党受難の秋は続くのか。いや、そろそろ荒れるのでは…。「G1テーマパーク」では波乱ありとみてアナザートゥルースを激走候補に指名。16年に6番人気Vの兄サウンドトゥルーに続き、桶狭間の波乱の歴史に名を刻む。

 ジャパンC。アーモンドアイの華麗な9冠締めには、誰もが感動した。一方で、馬券的にはため息をついたファンの姿も。今秋のG1はこれで1番人気が7戦全勝。穴党は手も足も出ない状況だ。

 今週のチャンピオンズCにも、国内8戦無敗の王者クリソベリルが登場。また堅いのか…。諦めムードも漂うが、ちょっと待った!!このレースはJCダートからチャンピオンズCへと新装され、中京開催となった14年以降で、1番人気馬Vは18年ルヴァンスレーヴの1頭のみ。人気馬にとっては鬼門であり、穴馬にとっては格好の下克上の舞台なのだ。

 波乱の主役の1頭が16年Vサウンドトゥルー。6番人気の伏兵だったが、当時6連勝中だった1番人気アウォーディーを差し切った。その弟であるアナザートゥルースが、満を持しての参戦。ここがG1・2勝目だった兄に比べると実績は見劣るが、4歳春から【5・7・3・5】で全て6着以内の超堅実派。管理する高木師は「中間はトモ(後肢)に疲れが出たが、うまくケアして十分乗り込んだので体調はいい。浦和記念(11月25日=除外)を予定していたので、日程的にも十分仕上がっている」と力を込める。

 前走・日本テレビ盃は先行しながら直線で失速し5着。高木師は「ブリンカーが効き過ぎて、前に行き過ぎた」と振り返る。集中力を増すはずの矯正馬具が逆効果に。「左回りだと行きっぷりが良くて、しっかり走れるので、今回はブリンカーを外す」と逆の勝負手を打つ。

 血統に加え、鞍上も魅力。初コンビのM・デムーロは15年に12番人気の牝馬サンビスタでV。それまで牝馬限定重賞でしか白星のなかったダークホースで、当時のダート界に君臨していたコパノリッキー、ホッコータルマエの2強を沈める大金星。今回と同じ初騎乗でレース史上最大の下克上を成し遂げた。

 中京競馬場といえば「桶狭間の戦い」が行われた古戦場の近く。そう、ここは織田信長が今川義元を討った戦国史上最大の下克上の舞台だ。1番人気の天下もそろそろ終止符。桶狭間、砂の陣に縁深い人馬が今年のG1最大の下克上を狙う。 

 ≪きょうだい制覇なら中央ダートG1初≫同一G1のきょうだい制覇は84年のグレード制導入以降では6組が全て芝のレースで達成。兄ドリームジャーニー、弟オルフェーヴルのきょうだいVは宝塚記念1回、有馬記念2回。春秋グランプリで抜群の強さを誇った。今回、アナザートゥルースが勝てば7組目、通算9回目。中央ダートG1では初のきょうだいVとなる。

 ▽桶狭間の戦い 戦国時代に織田信長と今川義元の間で争われた合戦。1560年6月12日、尾張国桶狭間(現・愛知県豊明市)で行われた。2万5000の今川軍を、わずか2000の織田軍が奇襲して義元を討ち取った。この戦いを機に信長の名が天下に知れ渡ったため、下克上を象徴する戦いとして知られる。中京競馬場が豊明市にあるため、同場で行われるレースが「桶狭間の戦い」とよく言われる。

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2020年12月2日のニュース