キタサンブラック育てた清水久師 忘れられない1年目の苦悩

[ 2019年11月8日 05:30 ]

 【競馬人生劇場・平松さとし】5日、オーストラリアで行われたメルボルンC(G1、フレミントン競馬場、芝3200メートル)にメールドグラース(牡4歳、栗東・清水久詞厩舎)が出走。日本のプールで1番人気に推されたばかりか、現地でも2番人気並びと高い支持を受けたが、残念ながら6着に敗れた。

 同馬を管理するのはキタサンブラックでも有名な清水久詞調教師。現在まだ47歳の若きトレーナーだ。

 清水師が調教師免許を取得したのは2009年。1年間の技術調教師を経て翌年開業する予定だったが、現役調教師の急逝により、事態が一変した。亡くなった調教師の20馬房を10馬房ずつ分ける形で、2人の新人調教師が急きょ開業することになったのだ。

 この時点で清水師と同じく技術調教師になっていたのは他に2人。つまり3人中2人がすぐに開業することになったのだ。

 準備期間を置かずにすぐに開業するか、しっかり準備して1年後に開業するか、どちらが良いかは分からない。そこで3人の技術調教師はJRAから希望を提出するように求められた。その結果、なんと3人が3人とも即時の開業を希望した。清水師は言う。

 「どうせ開業するなら早い方が良いと思い、希望しました」

 結局3人でくじ引きをした結果、清水師は当選。すぐに開業することとなった。

 ところが下準備期間がなかったため、当初は苦戦した。開業1年目はわずかに2勝しかできなかったのだ。

 「でもおかげでいろいろと考えさせられました結果的にいきなりポンポンと勝つよりも良かったと思います」

 当時の悔しさをバネに年度代表馬となるキタサンブラックを育て上げた。そして、メールドグラースをオーストラリアへ連れて行くとコーフィールドC(G1)を優勝させてみせた。メルボルンCこそ残念な結果だったが、これもまたステッピングボードに変えて、さらなる飛躍が待っていることを願おう。 (フリーライター)

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