無理やりに脱がせず「心のパンツを脱がせた」篠山さんの“脱がせ術”

[ 2024年1月6日 05:20 ]

写真家の篠山紀信さん
Photo By スポニチ

 【評伝】独特のヘアスタイルについて問われると「縮れ毛。生まれた時から縮れ毛!」と即答。巨匠と言われる立場ながら、軽快に柔軟に新しい世界を切り開いてきた。

 実家は東京都新宿区にある真言宗の寺。次男なので好きなことができたという。日大の写真学科に入学したのは第1志望に落ちたから。その後「直感的にひらめいた」と写真の道に進むことになる。

 「写真家というのは時代が生んだものを複写しているだけ。時代の映し鏡なんです。だから時代と併走しながら、面白いこと、面白いもの、面白い人、そういうものを一番いい角度から一番いい場所から、そして一番いいときに撮っていきたい」と根っからの“カメラ小僧”だった。

 言葉は多くないが、被写体を気持ち良くさせるムードづくりが抜群。レンズの前に立ったモデルたちは表情がどんどん変わっていった。最終的に本人たちは「ここまで脱いじゃった」と驚くことも少なくなかった。「無理やり脱がせる」ということは決してせず、仕上がりが美しいので被写体からNGが出ることもほぼなかった。「心のパンツを脱がす」のが篠山さんの“脱がせ術”で、撮影現場をプロデュースする能力は抜群だった。

 撮りたいものを撮る、という信条を貫くため制約のある仕事にはNOを突きつけた。

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