【一問一答(1)】日本将棋連盟・羽生会長 藤井8冠誕生に「率直に凄い」 いつまで防衛できるかに持論も

[ 2023年10月20日 18:57 ]

<将棋連盟・羽生善治会長会見>会見で笑顔を見せる羽生善治会長(撮影・西尾 大助)
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 日本将棋連盟の羽生善治会長(53)が20日、東京都渋谷区の将棋会館で報道陣の取材に応じ、11日に全8タイトルを史上初めて制した藤井聡太王将(21)についてあらためて語った。

 ――会長として8冠誕生の思いをあらためて。

 「棋士は日々、研究とか練習を重ねながら一局一局大切に対局しているわけですが、その中でこういった大きな偉業を藤井さんが打ち立てられた。率直に凄いなと。一方で自然体というか、一つ一つ積み重ねてすんなり達成された印象も持っています。一局一局の単位で見ると大変な対局もたくさんあった。トータルで見たとき非常に安定した対局を続けられていたのがこの結果につながったのではないかなと。これをきっかけに多くの将棋ファン、将棋に興味を持ってくれる人たちが増えてくれたないいなとも考えています」

 ――王座戦の番勝負に関しては?

 「永瀬さんは名誉王座の記録がかかっていた。今回のシリーズに並々ならぬ決意で臨まれている印象を持ちました。序盤戦の研究、準備は実に周到で、藤井さんも苦慮させられた、対応に大変だったという印象。内容的にも永瀬さんの出来もよかった。一局一局きん差の際どい対局が多く、非常に見どころの多いシリーズでした」

 ――全冠制覇をしたプレーヤーとして藤井8冠の見方は?

 「偉大な記録ですが、そういうことよりもさらに棋力を伸ばしていきたいという向上心を持ち続けているところが藤井さんのすごさ。1人の棋士としてその姿勢、将棋の内容、中身、自分自身も参考にしながら今後もやって行ければと思っています」

 ――27年前の羽生会長の7冠奪取当時との違いは?

 「物理的にタイトルがひとつ増えたこともありますし、30年近い歳月が流れていますので、戦術そのものも大きく変わりましたし、競争も激化している。勉強法方法も変わっている。環境的なことも含めてずいぶん違うのかなと。ただ今回の藤井さんの場合はほぼほぼカド番に追い込まれていない。現在の実力、勝率、内容をもってするとこの結果もそんなにすごく驚くべきことではないとも思う。安定感、地力の強さも感じていました」

 ――今後8冠をいつまで保てる?

 「藤井さんは21歳と若く、体力もある。パフォーマンスも安定している。一方でかなりのハードスケジュールをずっと続けている。シビア、タフな対局が続いているところで持続する難しさはあるのではないか。そうは行っても一局単位での出来不出来が非常に小さい棋士。対戦する棋士もそれに合わせて準備している中で、それを乗り越えていくような状況が続いている。どういう状況で今の状況が変わるかは想像しづらいと思っています。ただ今の竜王戦で伊藤匠七段と対戦しており、新しい世代、近い世代の棋士が現れて藤井さんの将棋を基礎として受け入れて勉強して育ってくる時にどうなるかは興味深いとことかなと」

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