男女逆転「大奥2」田沼意次・松下奈緒 青沼との別れ「胸を打たれました」老中職解任「終わった」への思い

[ 2023年10月17日 22:45 ]

ドラマ10「大奥 Season2」第13話。平賀源内(鈴木杏)を労い、送り出した田沼意次(松下奈緒・奥)だったが…(C)NHK
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 “男女逆転の大奥”を描くNHKドラマ10「大奥 Season2」(火曜後10・00)は17日、「医療編」第13話(Season1から通算)が放送された。話題のシーンを振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 原作は漫画家・よしながふみ氏の同名人気作。3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを紡ぎ、センセーションを巻き起こした。

 過去計3度、ドラマ化&映画化されたが、今回は幕末・大政奉還まで初めて映像化。2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」も手掛ける森下佳子氏が、今年1~3月の「Season1」(全10話)に続いて脚本を担当。8代・吉宗の遺志を継ぐ若き蘭方医たちが謎の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」撲滅の道を切り拓く姿、開国・攘夷・大政奉還・江戸城無血開城という激動の時代を描く。大筋は原作通りのストーリー展開だが、ドラマは「医療編」「幕末編」と銘打つ。

 第13話は、本草学者・平賀源内(鈴木杏)は赤面疱瘡の治療法を「人痘接種」と命名。蘭方医・青沼(村雨辰剛)たちは大奥内で接種を望む者を募る。実績を増やし、徐々に評判を広めようと試みるが、得体の知れない治療への理解は思うように得られない。青沼への反発も膨らむ一方だった。そして、老中・田沼意次(松下奈緒)も源内や青沼を引き入れた責任を擦(なす)り付けられ、懸命に歩んできた者たちを理不尽な暴力が襲う…という展開。

 前回第12話(10月10日)、武女(佐藤江梨子)が金を渡した男に襲われた源内。青沼は、梅毒に感染していると診断した。

 10代・徳川家治(高田夏帆)の子・家基が突然、亡くなった。

 天明3年(1783年)夏、意次が老中に就いて10年。家治の後継者が注目される中、江戸に地震が発生。浅間山も大噴火した。大凶作により、米の値段は信じがたいほど高騰。民の不満は意次に向かった。

 赤面疱瘡が市中、そして大奥に発生。治済の子・竹千代(のちの徳川家斉)、松平定信(安達祐実)の甥も人痘接種を受けた。

 家治は体調を崩し、青沼はヒ素中毒と診断。家治は自分を守れなかった意次を叱責した。そして運悪く、定信の甥は赤面疱瘡を発症し、亡くなった。

 意次は蘭学により大奥の風紀を乱したこと、人痘接種により死者を出した責任を問われ、老中職を解任。家治の死を悟った。

 青沼も同様の罪に問われ、死罪を言い渡された。青沼は「死罪は私だけ。私だけでよかったんです!これで人痘の仕方が後の世に伝えられます!いつか必ず再び世が人痘を求める時が来ます!その時は皆さん、お願いします!」と蘭学の仲間、生徒たちに託した。

 「ありがとうございました。皆さんがいなければ、とてもここまで来られなかった」

 補佐役の黒木(玉置玲央)や自ら人痘接種を試した廻船問屋の次男・伊兵衛(岡本圭人)たちも青沼に感謝した。

 斬首の前、青沼の脳裏には源内や意次たちからの「ありがとう」がよみがえった。

 黒木は病床の源内を見舞う。源内は視力を失っても黒木だと気づき「懐かしいなぁ」「分かった、人痘が大成功したんだ。それで今度、田沼様は市中に人痘所を作って、黒木さんはそこの頭か何かに収まった」「みんなに会いたいなぁ。青沼さん、会いたいなぁ」…。

 帰り道。黒木は雨に打たれ「江戸城にいる女たちよ。母ならば、男子を産んだことはないのか。産んだならば、その子を赤面で亡くしたことはないのか。そういう悲しい母と子を、1人でも減らすべく懸命に歩んできた者に、この仕打ちか!あまりにも理不尽ではないか!」――。天に叫んだ。

 治済は定信に「女子(おなご)はいませんの。でも、わたくしの息子は、人痘を受けたのですよ」とほくそ笑んだ。目覚めたのは、成長した11代将軍・徳川家斉(中村蒼)――。

 ▼田沼意次役・松下奈緒コメント

 ――老中職を解かれる意次

 原作でもそうでしたが、台本を初めて読んだ時に「ここまでやってきたのにな」「誰も守ってくれないんだな」というのが率直な気持ちで、非常に悲しい結末だなと思いました。皆いい時は味方になってくれるけれど、何かあると手のひらを返したように総スカンになってしまうというのは、つらかっただろうと思います。意次にとっては老中を解かれるということがすべての終わりを告げられることだと思いますし、志半ばだったのでまだまだやりたい気持ちもあるけれど、思うように動けなくなるやるせなさもあり、最後の「…終わった」という言葉につながったのだろうと思います。

 ――特に思い出深いシーン

 源内さんや青沼さんとのシーンはどれも心に残っていますが、特に印象的だったのは、13話で描かれた青沼さんとの別れの場面です。接種により定信の甥が亡くなってしまった後、青沼に「すまぬ!私はそなたを守り切れぬかもしれぬ」という言葉を掛けますが、きっと意次自身もとても苦しかっただろうと思います。でも、青沼さんはそれを受け止めるだけでなく、さらに「明日も接種の予定があります。今後どうしましょうか」というような前向きな言葉で返してくれて。こんな私でも、まだ必要としてくれるのだということにも胸を打たれました。気丈に振る舞ってきた意次ですが、この時は気持ちがぐらつきましたし、源内さんと青沼さんのことはずっと守りたいと思ってきたけれど、このシーンでは逆に、青沼さんに包み込んでもらったような感覚になりました。

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