矢吹奈子 パーソナリティーを務める思い 「もっと自分のことを知りたい」

[ 2023年4月12日 08:30 ]

矢吹奈子
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 【牧 元一の孤人焦点】4月1日にアイドルグループ「HKT48」を卒業した俳優の矢吹奈子(21)が文化放送「レコメン!」(月~木曜、後10・00)の水曜パーソナリティーを務めている。3月29日の初回放送から元気はつらつ、個性全開の矢吹に思いを聞いた。

 ──初回放送から楽しそうでしたね!?

 「始まる前はちょっと緊張してたんですけど、いざ始まってみたら、普段の感じのまま話せて、凄く楽しくできました」

 ──気負わず自然に話せている感じがします。

 「以前、初めてレギュラーでラジオに出た時は、構え過ぎちゃって、違う人格が出てきちゃったんです。番組が終わった後、放心状態になって『今までの私は誰?』という感じになったこともありました。この番組では、いつもの自分でいられます。ファンの方々が寄せてくれるコメントを読みながら話せることが大きいと思います」

 ──番組のために日記を書いているそうですが?

 「人間観察をいっぱいしようと思っています。例えば『電車に乗ったら、前にいた人が◯×△をしていてびっくりした』とか…。普段は見ないようなものに目を向けてメモするようにしています」

 ──矢吹さんはこれまで周りのことに関心がなさそうな人に見えていました。

 「正解です(笑)。だから、これまで道で芸能人とすれ違ったことがないんですよ。それは私が周りを見ていないからなんだと思います。よく一緒にいる人に『あそこに◯×△がいたよね』と言われるんですけど、私は一度も気付いたことがないんです。これからはちゃんと周りを見て歩きます」

 ──ご自身のパーソナリティーとしての適性についてはどう考えていますか?

 「人と話すのは大好きですし、人に興味があって聞きたいこともいっぱいあるので、大丈夫だと思います(笑)」

 ──生放送は大丈夫?

 「たぶん失言するようなタイプじゃないので、あまり不安はないです。ただ、何か読む時、急に読めなくなることがあるんですよ。文字がいっぱい並んでいると、簡単な漢字が読めなくなったり、平仮名も読めなくなったりすることがあります。昔から読むのはめちゃくちゃ苦手で、国語の授業で順番に音読する時、自分がどの行を読むかを事前に計算して、心の中で練習するんですけど、いざ読んだら結局間違えちゃうんです。読むのはダメなので、そこだけは緊張します」

 ──アイスクリームを食べる企画は斬新ですね!?

 「オープニングでアイスを食べるのって意味が分からないですよね(笑)。私以外は誰もやらない企画だと思います。この番組の打ち合わせで、好きな物を聞かれた時、すぐにアイスが出てきたんです。初回放送はHKTの卒業コンサートの前だったので、ダイエットしてたんですけど、『番組でアイスを食べられる』と思って頑張ることができました。私は普段どうしても同じアイスばかり食べてしまうので、この番組でいろんなアイスに挑戦できるのがうれしいです」

 ──HKTを卒業した実感は?

 「正直、あまりないです。まだメンバーのグループLINEからも抜けてないんです。これから例えばテレビでHKTを見たりコンサートを見に行ったりして客観視した時に実感するのかなと思います」

 ──2013年からのHKTでの活動を振りかえってみていかがですか?

 「長かったなと思います。体感としては短いんですけど、振りかえってみると、やはり長いです。卒業コンサートで、私がオーディションを受けた時から最近までの映像が流れたんですけど、最初の頃は身長が今より10センチくらい低かったし、話す言葉も幼かったので、こんなに子供だったんだ!と思いました。自分がいつの間にか大人になっていたことを実感しました。小学6年生から成人するまでは、いちばん成長する期間ですよね。反抗期もHKTで迎えて終えたわけですから、この10年は濃かったです」

 ──韓国での「IZ*ONE」の活動を含めると、芸能活動でもう怖いものがないのでは?

 「俳優業は別物じゃないですか。同じ芸能界でもジャンルが全然違うので、怖いものがないと言うとウソになっちゃいます。自分が知らないことだらけの世界に飛びこむので、たくさん勉強して学んでいきたいと思っています」

 ──俳優になろうと思ったのは?

 「子役をやっていたこともあるんですけど、本格的に思ったのは韓国から帰ってきてからです。ドラマにレギュラーで出演させていただいて、共演者に同世代の子が多かったので、そこで刺激をもらって、もっとやってみたいと思いました」

 ──どんな俳優になりたい?

 「唯一無二の存在になりたいです。今はアイドルのイメージがあるのだとすれば、それを変えたいです。何にでも染まれるような俳優になりたいです」

 ──アイドル活動がラジオのパーソナリティーに生きることはありますか?

 「握手会などでいろんな年齢の方々とお話して学んだことがいっぱいあるのかなと思います。赤ちゃんから60歳くらいの方までコミュニケーションを取って来ましたから、それを生かせたらいいなと思います」

 ──経験を生かして、年下のリスナーの相談に乗っていくのも面白いかも!?

 「学生の子たちの悩みをうまく解決できたらいいなと思いますけど、私にできますかね…(笑)」

 ──番組で特にやりたいことは?

 「私のことを知らないで聞いてくださっている方もいると思うので、もっと自分のことを伝えられればいいなと思います。実は、私自身が自分のことをよく知らないんじゃないかと思うくらい、自己紹介が苦手なんです(笑)。だから、もっと自分のことを知って行きたいし、みなさんにも知ってもらいたいと思います」

 矢吹を初めてインタビューをしたのは彼女が14歳の時だった。その時はペットのセキセイインコの話で盛り上がったが、それから7年が経過し、夜のラジオ番組のパーソナリティーを1人で務めるまでに成長していた。朗らかさは子供の頃のまま。21歳は俳優、パーソナリティーとしてまだ若く、無限の可能性を秘めている。今後の飛躍への期待は大きい。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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