秘書務めた瀬尾まなほさんが瀬戸内寂聴さん語る「ペン持ったまま机に伏して死にたいと語っていた」

[ 2022年5月19日 15:54 ]

ドキュメンタリー映画「瀬戸内寂聴 99 年生きて思うこと」の先行上映会で舞台あいさつした中村裕監督(左)と寂聴さんの秘書・瀬尾まなほさん
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 昨年11月に99歳で死去した作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんの生誕100年記念ドキュメンタリー映画「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」(27日全国公開)の先行上映会が19日、京都市内であり、11年間、寂聴さんの秘書を務めた瀬尾まなほさん(34)、中村裕監督が舞台あいさつ。瀬尾さんは「亡くなって半年が経ったけど、まだ心の整理が付かない」と胸の内を明かしながら「映画を通して生前の瀬戸内の姿を見られることは、私にとっても皆さんにとってもうれしいことだと思います」と語った。

 映画は京都・嵯峨野の寂聴さんの寺院「寂庵」での日常、人気を博した法話の様子、執筆中の姿など、寂聴さんの素顔が詰まったドキュメンタリー映画。04年、TBSテレビ系「情熱大陸」の取材がキッカケで知り合い、亡くなるまでの17年間、公私ともに寂聴さんに密着した中村監督が撮った。

 大学卒業後に寂庵に就職して11年間、秘書としてそばに付き添った瀬尾さんは「やさしくて、思いやりがあって、志が高かった」と寂聴さんの印象を語った。「最後まで5つの連載を抱えていました。ペンを持ったまま、机に伏して死にたいと理想を語ってました」とエピソードも披露。「徹夜してでも老体にムチ打って書いていました。書き続ける情熱がありました。最後まで作家だった。これ以上魅力ある方とは、これからも出会えない」と振り返り「自分の人生を変えてくれた恩人だと思ってます」と寂聴さんへの感謝の気持ちを述べた。

 中村監督も「まだ亡くなった実感がない。そばにいてる感じ」という。「母親で、親友で、恋人のような存在。これだけ何でも打ち明けられたのは先生だけ」と故人を偲んだ。

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2022年5月19日のニュース