三谷幸喜氏 コロナ禍の舞台演出は逆転の発想「常に距離を取ってる理由を毎回作るのが楽しくて」

[ 2021年6月19日 13:33 ]

三谷幸喜氏
Photo By スポニチ

 脚本家・演出家の三谷幸喜氏(59)が19日放送のニッポン放送「八木亜希子 LOVE&MELODY」(土曜前8・30)にゲスト出演し、コロナ禍の舞台演出について語った。

 昨年は「大地」、「23階の笑い」など4作を手掛け、今年もミュージカル「日本の歴史」の2年ぶり再演が7月6日、東京・新国立劇場中劇場で初日を迎える。出演者やスタッフのコロナ感染で中止や延期を余儀なくされるなど、コロナ禍の直撃を受けている演劇界だが、三谷氏は「稽古して本番を迎えられない人とかたくさんいるんですけど、何とか今のところそうならずにやってこられている」と現状を説明した。

 ソーシャルディスタンスに気を付けながらの上演。三谷氏は「俳優さん同士が舞台の上でブアッとつばを飛ばしながら語り合うみたいな、自分が客席でこういう状況の中で見ていて、ちょっと不安になっちゃったり、ひやひやしちゃったりして、あまり集中できなくなることもあるので、なるべくそうしないように気を付けて演出する」と心掛けを口にした。

 とはいえ、「やってみると意外にできる」と手応えも感じているという。「そんなに俳優同士が接触しないように演出しようとか思ったことがなかったんですけど、やってみたらやってみたで、そこからおもしろいことを思いついたりすることもある」。昨年の「大地」での演出例を挙げ、「みんな距離を置いてしゃべるけど、なぜこの人たちが距離を置いているか、説明というか理由がないと、『ソーシャルディスタンスだから距離を空けている』ふうにはできない」と苦悩を告白。一方で、「必然的に男Aと男Bは常に距離を取ってるんだっていう理由を毎回作るのが楽しくて。『ちょっと汗臭い』とかね」と、逆転の発想を明かした。

 とはいえ、コロナ禍の状況を前面に押し出した演出は極力、避けたという。「いかにも『この時期だからこうやってるんですよ』みたいなのをやると、ちょっとつまらなかったりするじゃないですか?だからあまり意識しないようにしてますね。『大地』も見終わって、『この人たち全然、2時間半の間、接触しなかったな』って、後になって気づくくらいの方がちょうどいいなと思って。強引にはしてないですね」と説明した。

続きを表示

2021年6月19日のニュース