「気配りと優しさ」忘れなかった渡さん

[ 2020年8月15日 05:30 ]

渡哲也さん死去

渡哲也さん
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 「私のウニを食べてください」。その声に振り返ると、渡さんが笑顔でウニの軍艦巻きを差し出していた――。そんな驚きのシーンを昨日のことのように思い出す。気配りと優しさの人だった。

 2012年4月、石原プロが手掛けた施設「石原プロおもしろ撮影館」(現在は閉館)が北海道・小樽でオープンし、取材に行った。せっかくだからと、石原軍団と記者はそろって寿司を食べた。北の海の幸のおいしさに私は「このウニおいしい」と思わず声を上げてしまった。今思えば恥ずかしいが、渡さんはおもてなしの対象として私たちを見てくれていたのだろう。

 石原プロをともに支えた小林正彦専務(故人)に聞いたことを思い出した。「渡は裕次郎さんの看板を守ることに全力を尽くしているんだ」。軍団を引っ張る存在として、どんな時でも優しさと気配りを忘れなかった。裕次郎さんの名に恥じぬようにとの思いが普段の謙虚な姿をつくり上げていたのだろう。あいさつする時もいつもすっくと席を立ち「渡です」と頭を下げた。渡さんの男らしさと大きさが石原軍団のイメージそのものだった。解散を発表した直後の旅立ち。一時代の終幕を強く感じた。(文化社会部デスク 鈴木美香)

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