広瀬八段 戴冠ならず「駒得していても報われない展開」

[ 2020年3月27日 05:30 ]

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第7局第2日 ( 2020年3月26日    新潟県佐渡市・佐渡グリーンホテルきらく )

広瀬八段は第7局に持ち込みながらも敗れガックリ(撮影・西川 祐介)
Photo By スポニチ

 刀折れ、矢も尽きた。午後7時22分。渡辺の153手目を見て広瀬が静かに頭を下げた。「(渡辺に)角も飛車も切らせたつもりだったが、その後のうまい対応が自分の力では発見できませんでした」と、初挑戦者は素直に敗因を語った。

 大駒4枚を手中にしながら、いずれも自陣に密集せざるを得ず、破壊的な攻撃手順につながらない。大事な戦力を1枚1枚剥がされていくうちに自王が薄くなり、最後の頼みは上部脱出しかなくなってしまった。そのかすかな希望も渡辺に打ち砕かれる。「駒得していても、あまり報われない展開でした」と残念がった。

 王将戦7番勝負は初出場。シリーズ前は「ワンサイドにならないように」と、強敵を前に謙虚なコメントを残しながら、5局目で3勝目を挙げ、タイトルホルダーをコーナーに追い詰める大健闘を見せた。「チャンスが全くないわけではなかった。でも力及ばず、ということです」と話す表情はむしろすがすがしかった。

続きを表示

2020年3月27日のニュース