渡辺王将 ▲5七銀右で勢い緩める冷静な判断

[ 2020年3月27日 05:30 ]

第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第7局第2日 ( 2020年3月26日    新潟県佐渡市・佐渡グリーンホテルきらく )

A図
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 【明暗この一手 関口武史】2日目を迎え渡辺の攻め、広瀬の受けという構図がはっきりした。午前早々、渡辺は馬も切り飛ばし、局地戦が繰り広げられる。駒損の渡辺だが、広瀬の大駒を封じて均衡を保つ。

 ▲2二歩~2三銀成と竜を取り返し、渡辺の駒に勢いが増す。渡辺がこのまま寄せ切るかと思われた中、▲5七銀右といったん緩め、△3六馬に▲7九王(A図)が冷静な判断だった。

 この一手で王の安全度が格段に上がり、彼我の差が読みやすくなったのが大きい。激しい戦いの最中、流れに乗って陣形を整備する手順は、まさに百戦錬磨の手腕といえる。

 さらに▲5六角成、▲1四馬と手堅い方針を続ける。終盤も▲8二角が非凡な一手で盤石の陣形から着実、堅実に指し続け渡辺が王将を守り切った。(本紙観戦記者)

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2020年3月27日のニュース