「スカーレット」TKO木本武宏 弁護士目指した過去 挫折も「お笑いの道に進む覚悟」夢追う役に共感

[ 2019年10月25日 08:15 ]

「スカーレット」木本武宏インタビュー

連続テレビ小説「スカーレット」で映画俳優を夢見る“謎の下宿人”を好演しているTKOの木本武宏(C)NHK
Photo By 提供写真

 お笑いコンビ「TKO」の木本武宏(48)がNHK連続テレビ小説「スカーレット」(月~土曜前8・00)にレギュラー出演。ヒロイン・川原喜美子(戸田恵梨香)が女中として働く下宿に住む“謎の男”を好演している。映画俳優の夢を追い掛ける役柄に自身を重ね「僕は弁護士を目指して猛勉強していた時期があるんですが、法学部不合格で挫折しました。でも、そのおかげで、もう1つの夢だったお笑いの道に進む覚悟ができました」と告白。コントとの違いに腐心しながら、6年ぶり2作目の朝ドラに「人からは『もう十分やん』と言われたんですけど、自分としては『まだまだ出たい!』」と張り切っている。

 女優の戸田恵梨香(31)がヒロインを務める朝ドラ通算101作目。タイトルの「スカーレット」とは「緋色」のこと。フジテレビ「夏子の酒」「妹よ」「みにくいアヒルの子」、日本テレビ「ホタルノヒカリ」などで知られる脚本家の水橋文美江氏(55)が朝ドラに初挑戦するオリジナル作品。“焼き物の里”滋賀・信楽を舞台に、女性陶芸家の草分けとして歩み始める1937年(昭12)大阪生まれのヒロイン・川原喜美子の波乱万丈の生涯を描く。

 木本武宏が演じるのは、喜美子が働く大阪の「荒木荘」に住む謎の下宿人・田中雄太郎。市役所勤めを辞め、めったに自室から姿を現さない変人。下宿代もたまっている。実は映画俳優にあこがれており、端役に挑戦を続ける。すっとぼけた物言いで、いつも喜美子を癒してくれる。

 木本の朝ドラ出演は2013年後期「ごちそうさん」以来6年ぶり2作目。「朝ドラを見て育ったので、出演が決まった時はうれしかったですね。以前、一度でいいから、おばあちゃんが元気なうちに朝ドラに出演したいと思って『ごちそうさん』のオーディションを受けたら、運良く出演させていただけたので、人からは『もう十分やん』と言われたんですけど、自分としては『まだまだ出たい!』と(笑)。人間味あふれる、大阪局制作の朝ドラが大好きということもありますね。今回、内田(ゆき)チーフプロデューサーにお会いした時、『歌やギターは得意ですか?』と聞かれ、全く得意じゃないのに、出演したいあまりに思わず『はい!』と答えたんです。念願叶って出演が決まり、よかったです」

 第20話(10月22日)、雄太郎は「大阪ここにあり」(映宝京都撮影所)という作品で銀幕デビューすることが決定。「黒澤明の『生きる』が僕の脳天、貫いてん。もともと芸事に興味があったいうか、才能があったいうか、亡くなった親父が僕に似て二枚目で。今はお金より夢や。カッコつけて言わせてもらうとな。お金より大事なもん、僕は見つけた」と喜美子たちに報告した。

 キャラクターについては「田中雄太郎は公務員を辞めて映画俳優の夢を追い掛ける男です。実際の自分にも重なる部分があります」と共感。「僕は弁護士を目指して猛勉強していた時期があるんですが、法学部不合格で挫折しました。でも、そのおかげで、もう1つの夢だったお笑いの道に進む覚悟ができました」と知られざる意外な過去を打ち明けた。

 「現場では、やりすぎに注意しています。普段はコントをしているので、カツラをかぶると、ついコントをしてしまいそうになるんですが、雄太郎は独自の路線で生きている変わった人という設定で、コントとは違う。そこがお芝居の難しさで勉強になります」と、お笑い芸人の顔は封印。コントとの境界線を意識し、奮闘している。

 撮影現場のムードはいい。「よく月並みに『現場が楽しいです』と言いますが、本当に楽しいんです。チームワークがすごく良く、戸田さんも自然体でいるので、すぐ仲良くなれたのですが、その時ふと『戸田恵梨香だよな』と我に返ったです(笑)。現場でも、喜美ちゃんをはじめ、全員がずっと笑っていたり、笑いを取りにいこうと“おいしいとこ”の取り合いのようになって、まるで芸人の楽屋の雰囲気でしたね(笑)」と明かした。

 「喜美ちゃんは強くてたくましくて、ひたむきで真っすぐで、とポジティブな言葉の集合体のような人。また『昔の日本の女性って、こんなんやったな『と懐かしさも感じてもらえると思います。そして、雄太郎という人間は映画俳優として売れっ子になれるのか、なれないまま終わっていくのか、僕自身も分かっていないですけれど、是非乞うご期待ください(笑)」

続きを表示

2019年10月25日のニュース