「グランメゾン東京」鈴木京香 木村拓哉の“即興”絶賛「助かります」12年ぶり共演で“名コンビ”誕生

[ 2019年10月20日 09:00 ]

鈴木京香インタビュー

日曜劇場「グランメゾン東京」の“ヒロイン役”を演じる鈴木京香(C)TBS
Photo By 提供写真

 女優の鈴木京香(51)がTBS日曜劇場「グランメゾン東京」(20日スタート、日曜後9・00、初回25分拡大)にレギュラー出演。11年ぶりの日曜劇場で“ヒロイン役”を務める。自身とほぼ同じ年齢のチャレンジ精神あふれる女性シェフの役に共感し、奮闘中。天候に恵まれたフランスロケは「パリに歓迎されている気持ちになりました」。主演の木村拓哉(46)とは12年ぶりの共演。木村の“アドリブ”も飛び出すクリエイティブな撮影の舞台裏を明かした。

 木村にとっては令和初のドラマ出演となり、料理のためならどんな犠牲も厭わない型破りなフランス料理のシェフに挑む。パリの二つ星フランス料理店「エスコフィユ」を経営していたが、己の“慢心”から招いた重大事件により店も仲間も失った主人公・尾花夏樹(木村)が女性シェフ・早見倫子(鈴木)と出会い、どん底から再起を図り、もう一度シェフとして生き直して三つ星レストラン「グランメゾン東京」を作り上げようと奮闘する姿を描く。

 脚本は「謎解きはディナーのあとで」「ストロベリーナイト」「僕のヤバイ妻」などの黒岩勉氏、チーフ演出は「夜行観覧車」「Nのために」「アンナチュラル」などの塚原あゆ子氏が務める。共演は沢村一樹(52)及川光博(49)尾上菊之助(42)Kis―My―Ft2の玉森裕太 (29)ら。

 鈴木が演じる倫子は、食べると、その料理の素材と調理工程が分かる絶対的な味覚の持ち主。腕とセンスは一流で、念願のレストランを開き、何度も星の獲得にチャレンジしたが、失敗。闘病中だった母親に尾花の記事を紹介されて一緒に「エスコフィユ」を訪れ、その料理を味わう。その味に衝撃を受け、再挑戦を決意。パリの三つ星レストラン「ランブロワジー」で面接を受けている最中、ひょんなことから尾花と出会い「星を獲らせてやる」と言われ、一緒にレストランを立ち上げることに。彼の無理難題に振り回されながらも、料理人として尊敬し、また自分自身も見つめ直していく。

 TBSの看板枠・日曜劇場への登場は2008年10月期に主演した「SCANDAL」以来11年ぶり。今回のオファーに「私は本当に食べることが好きで、たくさん食べるし、早いんです(笑)。レストランでシェフの人とお話をするのも好きで。星を目指すレストランのお話で、木村拓哉さんがシェフ。前回、12年前の『華麗なる一族』は木村さんと敵対する役でしたが、今回は仲間として同じ目標に向かっていく役。本当にうれしくて、是非やらせていただきたいと思いました」と喜んだ。

 倫子は49歳の設定。役作りについては「もうすぐ50歳になる女性が一(いち)から三ツ星レストランのいわゆる下働きからでも星を獲りたいと考えることが凄いと思いました。私自身が、また新しく挑戦したいことがあるから、もう一度基本からやり直すんだと外国に1人で行けるだろうかと。ベテランクラスになっている年代なのに、それでも一からトライしたいという倫子の思いに、とても魅力を感じました。どうしても目指したいことがある、あきらめない気持ちを持つ強い女性はどういう人だろうかということを一番大事に考えて取り組んでいます」とプランを明かした。

 第1話、倫子が尾花の料理「手長海老のエチュベ(食材の水分だけで作る蒸し料理)」を食べるシーンがある。その感想を口にするセリフをどう表現するかが初回の肝の1つとなった。

 今夏、パリでクランクイン。倫子が細い路地にあるビストロの入口外でスツールに腰掛け、手長海老のエチュベを食べる、この場面もパリで撮影された。「夕日が差し込んで、このシーンが一番映える時間帯を演出の塚原さんがロケハンしてくださいました。夕景を狙うので撮影の順番を変えたり、お料理の段取りがあったり。そういう準備の大変さを聞いているだけで、倫子にとって大事なセリフだというのは分かって、その日1日、凄く緊張していました。でも、木村さんがリハーサルから何度も料理を作ってくださって、その時間を感じながら待っていると、自然と倫子の気持ちになれたと思います」と振り返った。

 その後、倫子と尾花が語り合うシーンで、2人の間の向こうにエッフェル塔が映る絶妙のアングルもある。「画面上はワッと登場しますが、私たち芝居をしている側からは、目線の先に常にエッフェル塔が見えていたんです。あこがれの地にいることを体感しながら演じられましたし、もう合成のようにきれいに映るでしょう?(笑)本当に天気に恵まれていて、ちょっと曇天の時もあったんですが、撮影が始まると雲がなくなって、きれいにエッフェル塔が見えていたんですよね。凄くパリに歓迎されている気持ちになりました」

 木村とは07年1月期のTBS「華麗なる一族」以来12年ぶりの共演。「自分のことだけでいっぱいいっぱいになるぐらい、主役は大変なんですよね。でも、木村さんは自分のキャラクターを成立させるだけじゃなく、そのシーンで何を一番伝えたいかことを考えて現場に来てくださる。だから、アドリブも急に台本と違うことをされて困るんじゃなく、納得できる、スッと通るといいますか。アドリブと言っても、その場の思い付きじゃなく、台本を読み込んで、よく考えた上で尾花らしい振る舞いをしてくださるので、倫子としてリアクションできるんです。感心することばかりです」と絶賛した。12年前はリメイク作品ということもあり、アドリブは多くなかったという。

 倫子がパリ三つ星レストランで前菜の試験を受けることになった際、尾花が“ある食材”を切って手渡し、倫子が口に運ぶシーンがある。

 「リハーサルで、手渡された食材を私も思わずパクッと食べたんですが、塚原さんが『料理人はこういうふうにコミュニケーションにすると思うから是非』とおっしゃって、リハーサルでの何気ないやり取りが本番に採用されました。パッと食材を出された時、私も戸惑わずにパクッとできて。見たことのない食材も口に入れてみたいのが料理人なのかもしれないですね。それを木村さんがとっさにやってくださって、おもしろかったですね。でも、こういうのはたくさんあるので、あくまで一例ですよ」

 また、別のシーンで倫子の「それを言っちゃおしめぇよでしょ」というセリフもあり「50歳近くの倫子としては軽く流すか、しっかりやるか、どっちがいいかなぁと思っていて。リハーサルの時、まず大きく演じておいた方が恥ずかしくないので(笑)“それを言っちゃ~おしめぇよ”とコテコテにやったら、木村さんがセリフもないのにツッコミを入れて拾ってくださって。ということは大きく演じるべきなんだなぁと思っていたら、そのまま使われたので、おかしかったです(笑)。凄く助かります(笑)」と信頼。木村のツッコミが注目される。

 「なので、木村さんとは特に相談もしていないんですが、うまくいくといいますか。私と木村さんだけじゃなく、沢村さんと木村さんをはじめ、みんなと木村さんもそうで、みんな自分の個性と役割が分かっていて、塚原さんを中心に、このドラマに対する共通認識ができている。キャスト、スタッフのチームワークが自然とできてきて、それが伝わっているんじゃないかと思います」と手応え。いみじくも、木村が今月16日の制作発表で「既に現場のチームワークは三つ星です」と胸を張った通りだ。

 初回はテンポの良い塚原演出も相まって、年齢を重ねた鈴木と木村の掛け合いが抜群で味わい深い。新しい“バディもの”の映画を見るようだ。鈴木の輝かしいキャリアに、また新たな1ページが刻まれる。

続きを表示

この記事のフォト

2019年10月20日のニュース