「いだてん」演出も異色 大河初の外部起用 大根仁監督「ポップな要素を」第9話は“ブラック四三”出現?

[ 2019年3月3日 09:30 ]

大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」の演出に参加している大根仁監督。外部演出家の起用は大河初の試み(C)NHK
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 ドラマ「モテキ」「まほろ駅前番外地」や映画「モテキ」「バクマン。」などの大根仁監督(50)がNHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(日曜後8・00)の演出に参加している。外部演出家の起用は大河初の試み。また1つ異色要素が加わった。初担当は3日放送の第9話「さらばシベリア鉄道」。シベリア鉄道の旅を実際に追体験した大根監督は「僕が今までドラマや映画でやってきたのは、エンターテインメント。そのポップな要素を今回、大河に加えられれば」と新風を吹き込む。

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(37)と俳優の阿部サダヲ(48)がダブル主演を務める大河ドラマ58作目。2013年前期の連続テレビ小説「あまちゃん」で社会現象を巻き起こした脚本家の宮藤官九郎氏(48)が大河脚本に初挑戦し、オリジナル作品を手掛ける。20年の東京五輪を控え、テーマは「“東京”と“オリンピック”」。日本が五輪に初参加した1912年のストックホルム大会から64年の東京五輪まで、日本の激動の半世紀を描く。

 制作統括の訓覇圭チーフプロデューサーは「NHKが培ってきたノウハウとは違うルーツを持つ人が入った方が、よりおもしろくダイナミックになるんじゃないか」と外部演出家を起用した理由を説明。具体的には、今作の語りも務める美濃部孝蔵(若き日の古今亭志ん生)役の森山未來(34)が縁。森山はチーフ演出・井上剛氏が手掛けたドラマ「その街のこども」(10年)と大根監督の「モテキ」(10年)、両方に出演。そこから井上氏と大根監督の交流が始まり、今回の試みにつながった。

 33年ぶりの近現代大河、19年ぶりの主演リレー、人物インタビューも行う「いだてん紀行」など異色要素満載の「いだてん」だが、今度は大河初となる外部演出家を起用。井上氏、西村武五郎氏、一木正恵氏、大根監督の演出4人体制を敷いた。

 大河ドラマについて、1968年生まれの大根監督は「僕は小学校の頃、テレビは一家に1台。父親がチャンネル権を持っていることが普通だったので、父親と一緒に見ていました。一番印象に残っているのは『黄金の日日』(78年、豪商・呂宋助左衛門)と『獅子の時代』(80年、架空の会津藩士・平沼銑次)。どちらも、有名な武将や歴史に名を残した偉人が主人公じゃない。その切り口がおもしろかったんです」。今回のオファーも「もしテーマが有名な武将や歴史に名前を残した偉人だったら、腰がひけていたと思います。金栗さんも田畑さんも『どんな人?』を中心に描いていくことに魅力を感じました」と引き受けた。

 実際に現場に入り「NHKの堅苦しい点もありますが、むしろ、それを楽しみに参加した部分もあるので。ここ数年、テレビドラマのクオリティーにおいては、NHKが凄い作品を生んでいると、いちテレビ好きとして思っていました。それが、どういうシステムで生み出されているのか見てみたい気持ちもあったので、勉強になっています」

 物語は、四三と盟友・三島弥彦(生田斗真)が日本人として五輪に初参加したストックホルム大会へ。前半のヤマ場を迎える。大根監督が最初に手掛けた第9話は、四三と弥彦がついに新橋駅を出てストックホルムへ旅立つ。ウラジオストクやハルピンを経由してのシベリア鉄道17日間の旅。不手際により治五郎(役所広司)の渡航が遅れる中、監督の大森兵蔵(竹野内豊)と安仁子(シャーロット・ケイト・フォックス)のハネムーンのような態度、初めて触れる外国人の横柄さに、四三は不安を募らす…という展開。

 大根監督は台本を読み「えっ、シベリア鉄道!?」と驚いたが「スポーツを撮りに来たのにな。(列車のイスに)座りっぱなしか〜」と笑いを誘いながら「100年前の人がシベリア鉄道でユーラシア大陸を横断してストックホルムに向かうという話は、普段の仕事で撮れるわけがない。しかも45分かけて、たっぷりやれるので、凄くワクワクしました」と前のめりに取り組んだ。

 撮影前の昨年5月、約1週間にわたり、約9000キロ(ウラジオストック〜モスクワ)のシベリア鉄道の旅を自ら体験したのが、その表れ。「僕はアスリートじゃないので、オリンピック選手の気持ちは最終的には分からない。ただ、シベリア鉄道に乗ってストックホルムまで行くことだったら追体験は唯一できると思ったので、まずやってみました」と明かした。

 その様子は番組公式サイト内にある「大根仁シベリア鉄道取材記」に詳しい。

 「景色、聞いてはいたが、まっっっっったく変わらず。移動距離は既に2000キロ、日本列島の長さを越えたのだが、マジで変わらない。森〜林〜野原〜川〜たまに家、村〜のどれかが延々と続く。大きな山がないので、平野をひたすら山手線くらいのスピードで走ってるカンジ。ほんと気が遠くなる」

 「金栗さんや弥彦は車内でどうやって時間を潰していたのだろうか?日本で鍛え上げた身体からだを持て余していたことだろうが、どうやって解消していたのか?車内でトレーニングをしたりしていなかったのか?脚本には旅の行程は書かれているが、ストレスの進行や行程が描かれていないような気がしてきた」

 第9話は、昨年8月に約3週間にわたって行われたストックホルムロケの後に撮影。客車と食堂車を丸ごと再現し、車窓の風景はLEDスクリーンに映した。

 ストーリー展開についても「1話から8話の金栗さんは天然といいますか『走るの、大好き!』というような分かりやすいキャラクター。それが9話になると、僕も実際にシベリア鉄道に乗ってそうだったんですが、1週間も2週間も狭い部屋に男同士でいると、もの凄いストレスがたまってきて、ちょっとブラックな部分が出てくるんです(笑)。9話の金栗さんは、これまでにない“ブラック四三”みたいな部分がちょっとずつ見えてきて、性格の悪い自分としても、この回が担当できてよかったと思います(笑)。生まれも育ちも違う三島に対する嫉妬心や単純なイライラとか、見たことのない金栗さんの表情が出てきます」とアピール。大根監督が実際に肌で感じたシベリア鉄道の空気が、どのように生かされたのか、期待される。

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