俳優生活40年“名脇役”光石研 不遇の時代も 原点は子供の頃のものまね「いまだに」
光石研インタビュー(下)
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俳優生活40年を迎えた光石研(57)がテレビ東京の木ドラ25「デザイナー 渋井直人の休日」(木曜深夜1・00)で連続ドラマ単独初主演。今や名脇役として地位を確立したが、不遇の時代もあった。つらい時期を支えたもの、そして名バイプレーヤーの核をなす原点とは?
原作は映画化もされた「奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール」などで知られる漫画家・渋谷直角氏の同名コミック。おしゃれな日常を送る中、次々に現れる女性たちに右往左往する52歳独身デザイナー・渋井直人(光石)の恋模様をコミカルに描く。脚本はテレビ東京「バイプレイヤーズ」のメーンライターで、第1弾「〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」(2017年1月期)で光石の名台詞「テレ東だろ?」を生み出した、ふじきみつ彦氏。
第1話(1月17日)、主人公は美大生・木村ひる美(川栄李奈)が自分に好意を持っていると知り、浮つく。第2話(1月24日)は仕事仲間の編集者・高田(夏帆)を自宅に招き、手料理を振る舞うことに…。第3話(1月31日)はアルバムジャケットをデザインしたシンガー・ソングライターの京川夢子(池田エライザ)との“一夜”を期待して…。第4話(2月7日)は創作料理店の美人女将(山口紗弥加)と出会う。光石も名を連ねた「バイプレイヤーズ」は“おじさん萌え”する視聴者が続出したが、今回はそのかわいらしさに拍車がかかっている。
光石は高校在学中、長谷川法世氏(71)の人気漫画を映画化した青春群像劇の傑作映画「博多っ子純情」(1978年公開、監督曽根中生)のオーディションに友人が応募。いきなり主演デビューした。昨年も映画6本、テレビドラマ11本に出演し、今や名脇役として知られるが、30歳前後の頃は仕事に恵まれず。食べるのにも苦労したが、別の道に進む選択肢はなかった。
「16歳でこの仕事に出会って、18歳で上京して、芝居以外のことを何も知らなかったので。もちろん仕事がないのはつらかったんですが、役者というのはそういう時期もありますし、自分が好きで就いた仕事ですから、何とか続けたいと。だから、別の道に、という発想はなかったんだと思います。どこか楽天的なところもあって、どうにかなるという思いも心の片隅にあったのかもしれません」
不遇の時期の支えになったのは「Helpless」(96年)の青山真治監督(54)や「Love Letter」(95年)「スワロウテイル」(96)の岩井俊二監督(56)ら同年代の映画監督。「バブルがはじけて環境が変わったんですよね。若い人たち、と言っても僕と同世代なんですが、深夜枠のドラマなんかを撮るようになって。たまたま僕もそういう人たちと出会って一緒に仕事ができたのが、自分の中でものすごく大きかったと思います。青山さんや岩井さんをはじめ、この人たちと今後も一緒に作品を作っていけたらと思えたのは、支えになりましたね」と振り返り、感謝した。
そして、地道に出演作を積み重ね、名脇役の仲間入り。40年続いた要因を尋ねると「小学生の頃、有名人のものまねは全然しなかったんですが、先生や近所の酒屋や自転車屋のおじさんのものまねをやってたんですね。僕はもう60近いおっさんですが、いまだに近所の人のものまねをしているような感覚が、どこかにあるのかもしれません。僕の原点は子供の頃のものまね。それがいまだに続いているのかもしれません。だから、演じることが好きだし、みんなで映画やドラマを作ることが楽しい。性に合っていたから、40年続けられたんじゃないですかね」と自身の原点を明かしながら探った。
俳優生活40年の節目。今年の目標は「いつも通りなんですが、考えてみると、デビュー作の『博多っ子純情』も漫画が原作で、40年経って今回も、くしくも漫画が原作で、同じようなチャーミングで等身大の役を頂きました。僕の人生の中で、運命じゃないですが、ものすごく巡り合いを感じています。今年は『渋井直人の休日』をきっかけに、例年以上に前進していければと。57歳のおっさんが味わえた高揚感を他の現場でも持続していきたいと思います」と静かに意気込んだ。
プライベートは?と水を向けると「毎年1回は10日ぐらいの休みを頂いて旅行をするですが、今年も行きたいですね。ただ、行きや帰りの飛行機でも結局、台本を覚えたりしているので、あまり休みになっていないかもしれません。休みの日は何を?と聞かれても、台本を読むのが、もう日常なんですよね」。根っからの芝居の虫がここにいる。
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