最年少10歳プロだけじゃない 難病車いす女性プロ囲碁棋士も快進撃

[ 2019年1月10日 11:00 ]

笑顔で対局を振り返る加藤千笑初段
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 大阪市の小学4年生仲邑菫(なかむら・すみれ)さんが4月に史上最年少の10歳0カ月でプロ囲碁棋士になることが決まり、囲碁界が大きな話題になる中、骨の難病を抱えながら1年前にプロ入りし、今年活躍を期待される注目の新人女性棋士がいる。

 岐阜市在住の加藤千笑初段(17)は、自力で歩くことが難しく、対局に車いすで臨む。ここまで対男性棋士を含め、公式戦15勝6敗と堂々の成績。女流棋聖戦では予選から本戦4強まで勝ち進み、昨年11月の準決勝で藤沢里菜女流3冠(20)に挑んだ。現在の最年少記録である11歳6カ月でプロ入りし活躍を続ける藤沢は、加藤にとって憧れの存在。力及ばず敗れたが「藤沢先生と打てるところまで進めてうれしかった。力は出し切れた」と表情は明るい。

 生まれつき骨が弱い骨形成不全症により、骨折しやすく外で遊ぶことも苦手だった少女が、初心者の父と一緒に囲碁を覚えたのは幼稚園の時。小学2年から地元岐阜市の教室で学び、才能が開花した。プロ入りを目指し、6年生で院生に。苦しい時期もあったが「私はできないことも多い。囲碁しかしていないので、諦めることは頭になかった」と初志を貫徹した。

 囲碁は椅子で対局するため、不便はない。「碁盤の前では対等に戦えるのが囲碁のいいところ」と加藤。「女流タイトル戦が目標。周りから尊敬される棋士になりたい」と目を輝かせている。

 ◆加藤 千笑(かとう・ちえ)2001年(平13)9月13日生まれ、岐阜市出身の17歳。羽根直樹九段門下。幼稚園で囲碁を始め、小学6年で少年少女囲碁大会で全国優勝。18年2月、女流棋士採用試験に合格した。日本棋院関西総本部所属。

 ▽プロ棋士への道 加藤は昨冬、毎年1人の女流特別採用試験を11戦全勝で合格した。プロ棋士になるには、院生として所定の成績を収める方法が正棋士採用5人と前記の女流特別採用の2つ。さらに推薦制度として外国籍特別採用、19年度新設の女流特別採用推薦、同じく新設で仲邑さんが第1号となった英才特別採用推薦の3つがある。

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