本能寺の不変?

[ 2018年11月30日 08:30 ]

来期こそ…広瀬八段
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 【我満晴朗のこう見えても新人類】日産自動車のカルロス・ゴーン前会長逮捕に伴う関連記事を暇に任せて検索すると、ルノーの地元フランスの有力紙ルモンドのサイトに興味深い記事を発見。「ヒロト・サイカワはアケチ・ミツヒデか?」という書き出しから始まる解説記事だ。日本人なら思わずひざを叩いてしまうほどの絶妙な比喩だけど、果たしてフランス人に理解できるのだろうか。

 その明智光秀が築城した福知山城(京都府)で11月24、25日に行われた将棋の竜王戦第4局、羽生善治竜王に逆転勝ちしたのが広瀬章人八段。2連敗のスタートから2連勝と巻き返し、星を五分に戻した。今年は常に好調を維持しているだけに、永世七冠の資格を持つ絶対王者との残り3局からも目が離せない。

 広瀬は翌26日に終了した第68期王将戦挑戦者決定リーグ戦でも4勝2敗の好成績を残した。ところが、すでにご存じの通り、相星の渡辺明棋王と糸谷哲郎八段の2者がプレーオフに進出する。その理由をあらためて説明すると、広瀬は予選リーグからの勝ち上がりなのでランキングは5位。一方で昨期リーグ残留者の糸谷は3位、渡辺は4位だ。リーグ規定では3者以上が首位に並んだ場合、前年順位上位の2人がプレーオフに進むと定められている。ゆえに広瀬は涙をのんでしまった。

 この規定が施行されたのは第43期(1993年度)から。それ以前は相星首位の場合は全員がプレーオフを戦うルールだった。第41期では米長邦雄九段(肩書、段位は当時。以下同じ)、谷川浩司竜王、森内俊之五段、中原誠名人の4人が4勝2敗で並び、4者プレーオフを行っったこともある(勝者は谷川)。現行規定適用後は第56期(2006年)に佐藤康光棋聖、丸山忠久九段、森内名人の3人が4勝2敗で並んだが、前期3位の名人がプレーオフからはじかれた。今期の広瀬と全く同じ状況だ。

 将棋界は前シーズンのランキングが重要視される。勝敗が並んだ場合、前年実績により順位の明暗を分けるシステムは順位戦でも採用されている。1位と同じ成績を残しても上位進出を阻まれる事象を業界では「頭はね」と呼ぶ。まるで戦国時代だ。

 よって明智光秀のように一発逆転のクーデターは起こりにくい。一方で、広瀬の王将戦挑戦者決定リーグ戦における来期のランキングは堂々の3位。7人中、上から3番目なのだから今期よりは有利な立場となる。

 来年の挑決リーグ事前撮影は明智光秀の甲冑(かっちゅう)を用意しておこうかな。迎えの車はやっぱりニッサンで。(専門委員)

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