柳沢慎吾 雑草軍団VS絶対王者 両校にエール「こんな頂上決戦、凄すぎる」

[ 2018年8月21日 10:30 ]

両校にエールを送る柳沢慎吾
Photo By スポニチ

 「100回目の夏の甲子園にこれ以上ない対決となった奇跡の決勝戦」。芸能界きっての高校野球ファンで知られる俳優、柳沢慎吾(56)も劇的な名勝負の連続だった歴史的大会を象徴する大一番に大興奮。「高校野球の原点的チームと、100回の歴史が到達した最強進化型軍団。アルプス席の応援も対照的で注目だよ」と見どころを教えてくれた。

秋田県勢では第1回大会以来103年ぶりに決勝戦に駒を進めた金足農は、勝てば夏の甲子園100回目で初めて東北に優勝旗が渡る。大阪桐蔭が勝てば史上初となる2度目の春夏連覇。こんな頂上決戦、凄すぎるでしょ!

 金足農は横浜に逆転勝ちした3回戦で一気に覚醒した気がする。県内の選手だけで強力スラッガーもいない中、一戦一戦力をつけていく勝ち上がり方は、僕の敬愛する元横浜監督の渡辺元智さんが言ってたけど「高校野球の原点」だよね。一方の大阪桐蔭は高校野球100年の歴史の究極進化型。雑草魂と王者の風格。そんな両校が劇的なビッグプレーと逆転劇で勝ち上がってきたから凄くドラマチックなんだよね。

 スポニチで今月8日まで連載した「柳沢慎吾のひとり甲子園〜アルプス席の熱闘」でも触れたけど、高校野球って球児たちの一投一打に血湧き肉躍る一方で、それとは別の姿に胸が打たれる時がある。今大会はそんな場面が多かった。準々決勝・金足農―近江。劇的なサヨナラ2ランスクイズが決まった瞬間、グラウンドに倒れ込んだまま号泣する近江の捕手。2年生バッテリーでね。この直前、投手に駆け寄り顔をつかんで元気づけていた姿を見てたからさ。俺も大泣きよ。そしたら、金足農の選手が優しく手を差し伸べて声を掛けている姿が見えて。もう涙が全然止まらなくなっちゃったよ。

 大阪桐蔭の選手も2回戦で、沖学園の打者が出塁時に足をつったら、ベンチにいた選手が水と氷嚢(ひょうのう)を持って一目散に駆けつけていた。これが高校野球なのよ!そして選手たちが自分の判断でこの行動がとれる両校が決勝で当たるんだから、どっちも優勝してほしくなっちゃうよ。

 どんな試合になるかな。甲子園は「判官びいき」だからね。07年決勝、佐賀北―広陵のような空気感が終盤に生まれると“応援”が魔物を呼び起こす時がある。どんな展開でも最後まで絶対に目を離しちゃいけない。そんな歴史的な一戦だね。 (俳優)

 ≪アルプス席対決も注目≫アルプス席の対決も見ものだよ。金足農の応援はちょっと独特で「あれ、音が聞こえなくなった!?」と思ったら、一気に金管楽器と太鼓が大音量で襲ってくる。そこに重なる手拍子の一体感が凄い。注目の応援曲はプロ野球・巨人の「Gフレア」と秋田県勢の定番曲「タイガーラグ」。大阪桐蔭は吹奏楽でも全国屈指の強豪校。多彩な演奏で知られる中、今大会はDA PUMPのヒット曲「U.S.A.」でのノリノリ感が面白い!

続きを表示

2018年8月21日のニュース