テレ東「池の水ぜんぶ抜く」ロケに密着 “異色企画”が生んだ予想外の光景

[ 2017年9月3日 08:00 ]

114年ぶりに水を抜かれた日比谷公園の雲形池
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 テレビ東京の“池の水を全部抜く”だけの異色シリーズ「池の水ぜんぶ抜く」の第4弾、日曜ビックバラエティ「緊急SOS!超巨大怪物が出た!出た!池の水ぜんぶ抜く大作戦4」(後7・54)が3日に放送される。6月25日放送の第3弾で千葉県習志野市長から依頼が届くなど、放送を重ねるごとに反響を呼んでいる同番組。第4弾の目玉は東京・日比谷公園の池の水を114年ぶりに抜くという大々的な企画。8月上旬に夏空の下で行われたロケに潜入し、密着取材した。

 気温30度を超える猛暑の中、シリーズ第4弾のロケは行われた。舞台は東京のど真ん中・日比谷公園。1903年6月に開園した日本初の洋風近代式公園で、日比谷公会堂や日比谷野外音楽堂があり都民の憩いの場になっている。番組を手掛ける同局の伊藤隆行プロデューサーは第3弾放送直前に「皆さんが知っているような規模の大きい池の水を抜きたいですね。なかなか実現は難しいですが、日比谷公園の池の水なども抜いてみたいです」と今後を展望しており、早くも“念願”がかなった形だ。

 午前10時に記者が公園に到着すると、ロケに協力するために集まった多くの小学生とその保護者たちでにぎわっていた。そこに番組MCのロンドンブーツ1号2号・田村淳(43)が作業用トラックの助手席に乗って登場。小学生たちから歓声が上がった。

 今回、水を抜くのは公園の南西寄りに位置する「雲形池」。子どもたちが見守る中、淳とゲストの小島瑠璃子(23)は専門業者とともに池の中へ入り“水抜き作業”をスタートさせた。

 池の底のヘドロの量が少ないことを感じ、「これは(作業が)早く終わる」と話す淳。だが、雲形池の水を抜くのは114年ぶり。マンホールが開かない、排水用のパイプが外れるなど想定外の事態が続出した。淳たちが悪戦苦闘しながら池の水を抜く様子に、伊藤プロデューサーは「大人がムキになってやっているのがいいですよね」とほほ笑む。

 水を抜き始めてからおよそ3時間後。100年以上の時を経て、ついに雲形池の底があらわになった。ここからは生物捕獲がスタート。在来種を保護し、外来種を駆除することで池の環境を本来の生態系へと整える。

 捕獲された亀や鯉などの生き物は次々と観察用のプールへ。子供たちが興味津々でプールの中の生き物をのぞき込む。その後、家紋が描かれた瓦(ロケ後の調査で江戸時代に佐賀藩鍋島家の屋敷に使用されていた瓦と判明)が発見されるなど予想外の展開で盛り上がり、午後4時頃にこの日のロケは終了した。

 ロケを通じて印象的だったのは子どもたちの笑顔。池の水が抜ける様子を見学し、保護された生き物を観察するなど、大がかりな夏休みの“自由研究”を心から楽しんでいた。伊藤プロデューサーは「池の水を抜くことが子どもたちの勉強にもなり、環境保護にもつながり、みんなにとって良いことになっています。番組がこんな風になるとは思わなかったですね」と企画誕生当時からは想像できなかった光景に目を細める。

 自身もこの番組のヒットによって「テレビ番組」について改めて考えさせられたという。「水を抜いてみて初めて気付いたことが多いのですが、これが“やってみなければ分からない”というテレビ本来のあり方だと思いました。昔のテレビ番組は“この先どうなるのか分からない”という面白さがありましたよね。この番組のおかげで、テレビ番組は作りすぎてもダメだということを感じました」。

 炎天下で泥まみれになりながら約6時間のロケを終えた淳は「この後に飲むビールが美味しいんです。ご飯も美味しいし、お風呂も最高。“働くってこういうことなんだな”って思うんです」と笑顔。初めて同番組のロケに参加した小島も「池にはいろいろなロマンが詰まっていると思いました。池の水を抜くってとてもシンプルなテーマだけど、そこをきっかけにいろいろなことが分かるので、本当にいい番組だと思います」と充実の表情を浮かべていた。

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