光石研 名脇役に執着なしも「バイプレイヤーズ」仲間入りに感謝

[ 2017年1月27日 10:00 ]

「バイプレイヤーズ」名脇役インタビュー(3)光石研(上)

名脇役6人の共演実現を喜ぶ光石研(C)「バイプレイヤーズ」製作委員会
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 俳優の光石研(55)が、日本映画界に不可欠な名脇役6人による夢の共演が実現したテレビ東京「バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」(金曜深夜0・12)の一角を担っている。6人を特集した2002年秋の映画祭から14年。「まさか本当に実現するとは」と喜び。名脇役と呼ばれることにこだわりはないが「今回、お仲間に入れていただいて、めちゃくちゃうれしいです」と声が弾んだ。

 光石とともに、遠藤憲一(55)大杉漣(65)田口トモロヲ(59)寺島進(53)松重豊(53)=アイウエオ順=の6人が“主演”。全員が本人役を演じ、共同生活を送るというストーリーの異色作。中国の動画配信サイトから映画「七人の侍」リメークのオファーを受けた6人は、役作りとして絆を深めるため、シェアハウスで3カ月、一緒に暮らすことに。“おじさんだらけのテラスハウス”が始まった――。

 企画の発端は02年秋、東京・下北沢で開催された特集上映「6人の男たちフィルムズ」。既に第一線を走っていた6人が選んだ出演3作品、計18本を10〜11月の6週間にわたって上映した。当時から6人の共演を熱望していただけに、今回のドラマに「とうとう実現したのかという思いがありました。よもや14年も経って、まさか本当に実現するとは思っていなかったので、うれしかったですね」

 しかも、本人役。クランクイン直後は相手役に「光石さんはこうですよね」と言われ「いつもは佐藤さんとか役名で呼ばれるので、自分の名前で呼ばれて、少しドキッと戸惑ったりしました」。とはいえ「今回もあまり深く考えず、みんなとのバランスだけを考えてやりたいと思っています。1人だけ何かをやるというんじゃなく、協調性を持ってバランスを取ってやりたいと思っているので、そこだけは気を付けています」。普段も役作りはあまりしないというが、いつも以上に自然体で現場に入っている。

 今回の本人役はリサーチした部分も投影されながら、あくまでドラマとしてカリカチュアするなど、実際の本人とは異なる面もあるキャラクターに仕上がっている。第1話、中国の動画配信サイトのアシスタントプロデューサー、ジャスミン(北香那)を見るなり「何かいいねぇ〜。向こうの新体操の選手みたい」と目尻を下げ、遠藤に耳打ち。遠藤から「ダメですよ。手を出しちゃ」と突っ込まれた。光石は「女の子が来たからって、いちいち見ません」とドラマ上の設定と強調。さらに27日深夜放送の第3話「バイプレイヤーとスキャンダル」で、劇中劇「W不倫の悲劇」の共演者・山口紗弥加(36=本人役)と“いい感じ”になるが「僕、女性ネタは一切ないですから」と苦笑い。今月11日の制作発表においても「僕はなぜだか役の設定では、共演した女優さんをすぐ好きになって恋仲になるというのが2回くらい出てきますが、そんなことは一切ございません。そこは強く言っておきたい」と繰り返した。

 「僕が言うと、おこがましいんですが、同時代を歩んできた仲間。皆さんが先を行って、僕が追い掛けているので、本当にリスペクトしています」という5人との共演。撮影初日こそ5人の動きを気にして「どっぷり疲れた」が、第1話、6人が洗濯物を干す何気ないシーンに手応えを感じた。

 「うまく補い合うというか、何となく呼吸が合い始めた感じがしました。打ち合わせ?そんなのは一切ないんですが、みんな、それぞれお互いのことを見ているんでしょうね。『ああ、そうやるか』と。僕はその呼吸に合うようにしただけ。みんな、輪をきれいな円にしようとしている感じはすごくしました。洗濯物を干して、色が移るだの、あれこれ言う日常のシーンですが、そういうシーンがスルッとスムーズに行くのは、ものすごく気持ちよかったですね」

 名脇役と呼ばれることについては「自分から言うことじゃないし、周りが言ってくださることなので、何と言われようが、全然、気にしません」。脇役のポジションについても「頂くものなので、僕は本当に執着していないというか」としてながらも、今回のドラマには「他の現場に行くと、他の俳優部からものすごく嫉妬されたりしますから。お仲間に入れていただいたというのは、めちゃくちゃうれしいです」と感謝した。

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2017年1月27日のニュース