視聴率で見た「真田丸」人気 王者「イッテQ」と互角 BS異例の高さ

[ 2016年12月13日 10:00 ]

真田丸特別連載(2)「奮戦」最終回まであと5日

堺雅人が真田幸村を演じる大河ドラマ「真田丸」。好調な視聴率も注目された(C)NHK
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 「Yahoo!検索大賞2016」ドラマ部門賞に輝くなど、反響を呼び続けたNHK大河ドラマ「真田丸」(日曜後8・00)は18日、最終回を迎える。さまざまな仕掛けや笑いを交えた三谷幸喜氏(55)の脚本と、主演を務める俳優・堺雅人(43)らキャストで1年間、話題沸騰。作品の質の高さは視聴率にも表れた。昨年の民放レギュラー番組トップの日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」(日曜後7・58)が裏番組に控える中、互角の戦いを展開。BSは“異次元”の数字で推移した。視聴率から見た「真田丸」人気を紐解く。

◆直接対決は20勝23敗1分け、両番組楽しむ視聴者も

 初回視聴率は19・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の好発進。第2話20・1%は、2013年「八重の桜」の初回21・4%以来3年ぶりとなる大河ドラマの“大台”超えを記録。その後、15~19%と好調をキープするヒット作になった。

 日曜午後8時の本放送より2時間早くオンエアされるBSプレミアムも人気で「BS視聴率は3%台で健闘、4%台で異例」とされる中、第49話までの平均は4・6%をマーク。本放送が待ち切れない視聴者が多いとみられ、インターネット上で「早丸」の愛称で親しまれている。物語がクライマックスに近づくにつれ「早丸」視聴者が増え、第41話から第49話まで9週連続5%台を記録するなど、驚異的な数字を叩き出した。ネット上では本放送を「本丸」、土曜午後1時5分からの再放送を「再丸」、録画視聴を「録丸」と呼ぶ愛称がつき、どの放送を視聴するかもファンの間のトークテーマになった。

 民放レギュラー番組の年間王者「イッテQ!」との視聴率対決も注目を集めた。15年年間平均視聴率19・2%の強敵だが、11日放送の第49話までの直接対決は「真田丸」の20勝23敗1分け(「イッテQ!」と他番組の混合特番を含む)とほぼ互角。2番組だけで合計30%前半~40%手前の視聴率を稼ぐハイレベルな争いを繰り広げている。また、この強力な裏番組の存在がBS「早丸」高視聴率の一因として挙げられるだろう。リアルタイムでは「イッテQ」を見たい人が「早丸」に流れ、両番組を楽しむ視聴者が多数存在するとみられる。

 大河ドラマゆかりの地で高視聴率が出るのは度々見られる現象で、ご当地・長野地区の視聴率は爆発。初回32・4%、第2話31・1%と30%超えを連発し、平均24・3%(ビデオリサーチ調べを基に算出、11日現在)と大台を突破している。

◆ドラマは録画視聴の傾向強く 様々な視聴形態で支持受ける

 ドラマ視聴実態を反映した新たな指標も生まれた。今年10月からビデオリサーチ社が導入した「タイムシフト視聴率(録画機器などで放送後7日以内に視聴)」と「総合視聴率(リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率の合計=重複は差し引く)」だ。多様化した視聴形態に即した新しい指標として採り入れ、11月には同社が10月3日から調査を始めたタイムシフト視聴率の1カ月(10月3~30日)の上位30番組を発表。上位30番組のうちドラマが19番組と、ドラマは録画して見られる傾向が表れた。

 「真田丸」も11月27日放送の第47話はリアルタイム視聴率が15・3%、タイムシフト視聴率が5・3%、総合視聴率が20・1%と数字が上昇する。日曜午後8時の「本丸」リアルタイム視聴率=真田丸視聴率と捉えがちだが、総合視聴率にBSの「早丸」と土曜再放送の「再丸」視聴率、NHKオンデマンド配信も加味すると、視聴者の広がりは相当数と言い切っていい。

 残り1話となった「真田丸」。最終回の視聴率にも注目が集まる。

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2016年12月13日のニュース