市川右近親子、歌舞伎史上初の“丸の内お練り”「せがれの方が堂々と」

[ 2016年12月13日 14:29 ]

市川右近(左)と武田タケルくん
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 年明けの新橋演舞場「寿 新春大歌舞伎」(来年1月3日初日)で三代目市川右団次を襲名する市川右近(53)が13日、二代目市川右近として「寿…」で初舞台を踏む長男の武田タケルくん(6)とともに東京・丸の内で「襲名お練り」を行った。

 右団次は上方発祥の名跡で右近自身が大阪出身であることから、東京での襲名披露にあたり、東京を象徴する場所として歌舞伎史上初の“丸の内お練り”を敢行することとなった。

 昼休みのサラリーマンやOLらが見守る中、午後0時25分ごろ仲通りを出発。行幸通りでは東京駅舎をバックに記念撮影をし、45分ほどかけて駅前にある商業施設「KITTE」に入った。沿道からは現在とこれから使うことになる2つの屋号「澤瀉屋(おもだかや)!」「高島屋!」のかけ声が飛んだ。

 「KITTE」内での挨拶で、右近は「大阪に生まれ育ちました私が猿翁師匠に入門し市川右近を名乗って、中学を卒業するとともに上京しました。それがこの東京駅でした」としみじみ。「新しいスタートをまた東京駅で迎えることができて、ありがたく思います」と神妙な面持ちで話した。

 「武田タケルでございまする」と切り出したタケルくんが「父の名跡、市川右近を二代目として襲名する運びになりました。どうぞ、よろしくお願い申し上げ奉りまする」と立派に挨拶を終えると、「わーっ!」「かわいい!」と歓声が上がった。息子の晴れ姿に右近は「せがれの方が堂々としたものでございます」と目を細めた。

 右近は「歌舞伎の家の生まれではない私が、たくさんの人に支えられて名跡を継がせていただくことにまりました」とした上で、「これから歌舞伎を目指す若者たちの道しるべのようになれればと思います」と責任の大きさをかみしめながら話した。

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2016年12月13日のニュース