「カープ女子」火付けた漫画家「25年は長かったけど報われた」

[ 2016年9月11日 10:15 ]

石田敦子さんが描いたカープ女子マンガ「球場ラヴァーズ」 (C)少年画報社

広島25年ぶり優勝に鯉党喜び

 “カープ女子”ブームの火付け役とされる漫画「球場ラヴァーズ」を描いた石田敦子さん(53)は、東京ドームで広島優勝の瞬間を見届け「25年は長かったけど、報われた」と喜びをかみしめた。

 広島県福山市生まれ。「1975年の初優勝から、どっぷりハマった」。今も球場に足しげく通い「昨年は関東の試合はほぼ全て、広島も日帰りで行った」と胸を張る。担当編集者に原稿の遅延を心配され「今年は控えめに行ってます」と苦笑い。

 主人公は、女子高生ら広島ファンの女性。漫画誌「ヤングキング」で連載が始まった2010年、広島は5位が定位置でドン底だった。「企画段階で、誰が読む?と不安がられ、隙間産業だとやゆされた」と振り返る。

 深いカープ愛、野球愛がにじむ作品。描かれたのは勝てない広島、苦しむ選手…そして自身のつらい日常を重ねて声援を送るファン。だが、あがきながら成長する姿が読者の共感を呼んだ。

 作品の人気とともに、広島も浮上。広島ファンの若い女性が増えたことには「社会に出た若い人が、つまずき、つらい思いをしているところに広島がいた。弱いけど、強くなっていく時期で、自分をシンクロさせたくなったのでは」と分析。

 連載は今年2月に終了したが、来月発売の「月刊アワーズGH」で読み切りの掲載が決定。「まさか優勝の話が描けるとは。すぐに描き始めなくちゃ」と声を弾ませた。

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2016年9月11日のニュース