「三匹のおっさん」 F1層に人気のワケ 年配者は時代劇感覚で

[ 2015年5月13日 09:00 ]

「三匹のおっさん2~正義の味方、ふたたび!!~」に出演する(左から)志賀廣太郎、北大路欣也、泉谷しげる

 テレビ東京で放送中のドラマ「三匹のおっさん2~正義の味方、ふたたび!!~」が前作に続いて好調である。昨年1月に放送し、好評を博したドラマの第2シリーズで、初回視聴率が11・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。北大路欣也(72)や泉谷しげる(67)、志賀廣太郎(66)といったベテラン俳優の活躍に、好印象を抱いているのが意外にも「F1」といわれる20~34歳の女性層だ。

 データニュース社が(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象3000人)の満足度調査で、8日放送の第3話は同作最高の4・02を記録、高満足度の基準である3・7を大きく上回り、視聴率・満足度ともに高いことがわかった。

 満足度を視聴者層別に見てみると、最も満足度が高い層はF1といわれる20~34歳女性の4・22。回答からは「家族みんなで楽しめる」。(30歳・女性)「家族みんなで見られる痛快でやさしいドラマ」(31歳・女性)「テンポが良くって面白い」(22歳・女性)など、夜8時台放送のドラマとあって家族と楽しめる、テンポのよい分かりやすい展開が受け入れられているようだ。

 主演と同世代の60歳以上の回答はまたひと味違う。「時代劇が減少してきている今、代わりとして見ている。北大路さんは竹刀のさばきも見事」。(66歳・男性)「最後の痛快なやっつけようは水戸黄門に似ているが、年配者には溜飲が下がる思い」。(68歳・女性)「同年代の人の活力が見られるので」。(78歳・男性)など、近頃地上波ではめっきり少なくなった「時代劇」の代わりとして楽しむ視聴者が多い傾向にある。同年代の“おっさん”世代の活躍にも共感している。

 テレビの視聴スタイルが変わったことで、ターゲットを絞り、様々なジャンルに挑戦してきた昨今のテレビドラマ。放送時間が20時とあって、家族で楽しめるホームドラマを目指した「三匹のおっさん2」のコンセプトは、テレビ制作の原点といえる。それが好調の要因の一つと言えるだろう。

 とはいえ、同じことの繰り返しでは飽きられてしまう。これからどれだけ視聴者をつなぎとめる工夫を物語に施せるのか、“おっさん”たちの勝負はこれからだ。

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2015年5月13日のニュース