「ようこそ、わが家へ」“らしくない”怖さで視聴者の満足度上昇中

[ 2015年5月9日 10:15 ]

フジテレビ「ようこそ、わが家へ」に出演の(左から)沢尻エリカ、南果歩、有村架純、寺尾聰

 フジテレビの月9ドラマ「ようこそ、わが家へ」(月曜後9・00)がジワジワと視聴者からの支持を広げている。月9の1月クールで放映した「デート」も“月9らしくない恋愛ドラマ”で話題となったが、「ようこそ…」も再び“らしくない”サスペンスで、回を追うごとに注目度が高くなっているようだ。

 2013年に大ヒットしたドラマ「半沢直樹」(TBS)で知られる池井戸潤が原作。嵐の相葉雅紀(32)主演で、寺尾聰(67)有村架純(22)南果歩(51)が演じる倉田家の面々がストーカーと対峙。また、主人公の家族とともにストーカーを追うことになるヒロイン・神取明日香を沢尻エリカ(29)など豪華なメンバーということでも放送前から話題だったが、内容的にも視聴者に受け入れられている。

 視聴率は初回13・0%、第2話11・4%、第3話12・0%、第4話10・0%(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)と一進一退で推移。データニュース社(東京)が行っているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象者3000人)によると、初回満足度は3・58(5段階評価)で、高い満足度の基準である3・7に及ばなかった。しかし第2話で3・77と基準をクリアすると、第3話で3・81、第4話で4・00と最高を記録。徐々に盛り上がりを見せている。

 視聴者の番組に対する感想を拾ってみると「月9らしからぬ内容で怖い。けど見ちゃう」(44歳・女性)「姿の見えない犯人が怖い。ドキドキしながら見た」(35歳・男性)「犯人が予想できないので次が待ち遠しい」(52歳・女性)など、目に見えない犯人の影と予測が難しい物語の展開に引き付けられている様子が伝わってくる。

 視聴者を飽きさせない、ちょっとした“工夫”がなされているのも面白さの隠し味かもしれない。寺尾聰演じる主人公の父親のパートでは「半沢直樹」を彷彿とさせる“経済ドラマ”が用意されており、そのボスである竹中直人への「倍返し」がいつ訪れるのか、このパート単独だけでも見応えのあるものになっている。

 また、ストーカーという暗いテーマでありながら、主人公一家のややおとぼけな会話のやり取りは、妙にズレていて面白い。「ストーカーに狙われているのに、あんなにのんびりしていて、おかしい」(53歳・男性)など、視聴者をやきもきさせる倉田家の面々だが、それが逆に全体の空気を重くせず、同時に一家に迫っている恐怖を浮かび上がらせる効果を引き出している。

 犯人探しのドラマの場合、種明かしの段階でがっかりさせられることが多い。しかし、その過程を楽しむのも、サスペンスの醍醐味。犯人が判明するまでどれだけ視聴者を飽きさせず、あっと言わせる展開にできるか…。ドラマは中盤。これからが勝負である。

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2015年5月9日のニュース