阪神・岡田監督 ドラ1・森下は「俺が入った時よりも数段上」80年新人王の指揮官超えも期待

[ 2023年2月20日 05:15 ]

練習試合   阪神10-0サムスン ( 2023年2月19日    宜野座 )

<神・サムスン>7回、1イニング2安打目となる左前適時打を放つ森下(撮影・北條 貴史)
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 俺より上よ、はっきり言うて!阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)が、沖縄・宜野座キャンプ第5クール2日目の19日、韓国・サムスンとの練習試合(宜野座)に途中出場し、3打数2安打1打点でプロ初マルチ、初適時打、初打点を記録した。前日18日の練習試合・DeNA戦に続き快音を響かせたルーキーに対し、岡田彰布監督(65)は「俺が入った時より数段上」と大絶賛。黄金新人が開幕右翼へ、また一歩近づいた。

 試合に出るたび、必ずと言っていいほど見せ場をつくる森下に、岡田監督は最大級とも言える賛辞を贈った。

 「だって打つもんは使わなしょうがないやろ、はっきり言うて。予想を上回ってるからな。だから俺が入った時よりも数段上やな、あんなんなあ」

 指揮官の言う「俺が入った時」とは43年前の「プロ1年目」を意味する。1980年、打率・290、18本塁打、54打点で新人王に輝いた自身のルーキーイヤーと比較し、「俺より上やと思うで」。具体的には「知らん、そんなん、分からんけど」と笑顔でいなしたが、スケール面を表現したのだろう。だが、この高評価を伝え聞いた森下は、いっさい表情を崩すことなく、さらに先を見据えた。

 「新人の頃は凄くても、何年も続けて活躍しないと意味がない。スタートダッシュを切ることは大事なんですけど、その結果が持続するようにしたい」

 だから森下にとって練習試合の2安打は、それが“プロ初マルチ”であっても一つの過程でしかない。とはいえスタンドは、前日18日に続く背番号1の雄姿に沸き上がった。

 5回無死一塁。近本の代打で登場すると迷わず初球からフルスイング。わずかな誤差で三邪飛に倒れたが、7回無死二塁の第2打席では1ボールから一振りで仕留める痛烈な左前打を放った。そして直後に足でも魅せた。

 糸原の中犠飛を挟んで1死一塁、3番・板山の打席でフルカウントからスタートし、長駆三塁を陥れた。「最初から狙う気でいた」と打棒、選球眼に続く持ち味の快足を披露。攻撃にリズムを生み、佐藤輝の中越え2点二塁打で生還した。さらに2死三塁で巡ってきたこの回2度目の打席でも、代わった投手から左前打。プロ初適時打で初打点を挙げ、一挙8得点のトリを務めた…が、「(両方)打ち損じた。打球を上げられなかった」と反省するから末恐ろしい。

 「状態はまだまだ上げられる。自分の課題を見つけてシーズンで打てるように頑張る」

 大勝の余韻が残るグラウンドで、森下はみっちり特守も受けた。「守備も怠ることなく、走攻守そろった選手になりたい」。飽くなき向上心が森下を唯一無二の存在へと導く。(八木 勇磨)

 ▽1980年の岡田彰布 ブレイザー監督の方針もあり開幕戦はベンチスタート。チーム4試合目の4月11日大洋戦に代打でプロ初出場し、見逃し三振。18日に掛布雅之が左膝故障で離脱すると、22日大洋戦に「8番・三塁」で初先発。5月17日に掛布が復帰後は主に二塁を守り、遊撃手や一塁手でも先発した。終盤は5番に定着して規定打席に到達。108試合出場、打率.290、18本塁打、54打点の活躍で新人王を受賞した。

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2023年2月20日のニュース