阪神・井上 すり足打法からの120メートル弾で“1軍残留”勝ち取った!右翼争いまだまだこれから

[ 2023年2月20日 05:15 ]

練習試合   阪神10-0サムスン ( 2023年2月19日    宜野座 )

<神・サムスン>7回、満塁本塁打を放ちナインとハイタッチをk交わす井上(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 鮮やかな放物線を描いたグランドスラムの直後、左翼の守備に就いた阪神・井上は芝生席の野球少年から声をかけられた。「ナイスバッティング!」。背番号32は一瞬目をやり、控えめに笑みを浮かべた。

 「今日はスタメンでしたし、ファーストストライクから積極的に振っていこうと思っていた。追い込まれていましたけど、いい形で結果につながった」

 7回、3点を追加してなおも1死満塁。2球で追い込まれてから本領を発揮した。カウント1―2からの5球目、真ん中外寄りの直球を振り抜いた。「いつもなら足を上げますけど、少しだけ、すった」。コンパクトに振り抜くことだけを意識し、「点が入るためにどうしたらいいか」だけを考えて選んだ、すり足打法から生み出された打球は左翼スタンド最深部で跳ねた。

 その推定飛距離120メートルの一撃で“1軍残留”を勝ち取った。試合後の岡田監督が、急きょ井上の予定を変更したことを明かした。

 「井上も明日、2軍の試合に行かそうと思ったら…あんなん打ったら行かされへん」

 試合前時点では、20日の2軍・中日戦(読谷)に出場予定だった。キャンプも中盤を過ぎ、ふるい落としが進む時期。18日までの1軍対外試合で2試合連続ベンチスタートとなった井上も当落線上で、結果を求められる立場だ。だから2軍戦にも派遣されるはずだったが、一転して“1軍残留”。同じ右翼を争う高山は、読谷へと向かう。

 この日は4回に右犠飛も放ち、5打点と暴れた高卒4年目の右の大砲候補。長打力なら右翼争いのライバル、ドラフト1位・森下にも引けは取らない。「開幕スタメンが目標。もっとアピールできるように」。15日の楽天戦で放った代打3ランに続く対外試合2本目のアーチが架け橋となった。それを開幕まで延伸してみせる。野球少年の声援に胸を張って手を振れる立場になるべく、バットを振り込む。(石崎 祥平)

続きを表示

2023年2月20日のニュース