独立リーグ大分B-リングス・森本将太郎 野球に打ち込める喜び胸に、投打二刀流で新たな挑戦

[ 2022年12月17日 19:25 ]

大分B-リングスに入団することが決まった立命館アジア太平洋大の森本将太郎
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 立命館アジア太平洋大の森本将太郎投手兼外野手(22)が、来春からプロ野球独立リーグの大分B-リングスでプレーする。12日には大分市内で開催された入団会見に臨み、野球にかける熱い思いを明かした。

 「これからも本気で野球に打ち込める喜びがあります。まずは目の前の目標であるNPB入りに全力を注ぎたい。1年目から二刀流プレーヤーとして投打でチームの勝利に貢献したい」

 大学時代は主に外野手として活躍したが、3年春からの3シーズンはリーグ戦に登板した。11月1日に熊本県で開催された九州合同トライアウトを受け、見事に合格。最速140キロ左腕は、NPB入りという夢に一歩近づいた。

 大学2年の冬に、大きな転機が訪れた。当時の夢は「起業家になる」こと。地方創生に関わることを思い描いていたが、都内在住の実業家と面談した際にふと気づかされた。

 「ビジネスプランについてお話をさせていただいていたのですが、その方から“本気でやりたいの?僕は他に何かやりたいことがあるように感じるけど”と何度も言われて…。そこで改めて、自分が本当に突き詰めたいことは野球なんだと思うようになりました」

 これまでの野球人生は、文武両道を実践してきた。父・泰生さんの母校でもある明星(大阪)に進学した理由は「野球、勉強とも本気で取り組めるから」。平日の練習時間は長くて1時間半という限られた環境だったが、いかに考え、時間を有効活用することの大切さを学んだ。国際経営学を学ぶため立命館アジア太平洋大へ進学。授業をおろそかにすることなく、野球と向き合ってきた。

 「野球だけに打ち込める環境というのは、自分にとって初めての経験です。どこまで自分の可能性を伸ばすことができるか。そこはとても楽しみな部分でもあります」

 環境の劇的な変化に、無限の可能性を感じずにはいられない。4年春の時点で球速は130キロ足らず。だが、「大学最後の悪あがきするために」都内まで足を運んだ。プロ野球選手や社会人・大学の選手が学びを請う北川雄介トレーナーのマンツーマンレッスンを受講。2度の指導を受けた結果、なんと球速は12キロもアップした。

 「今後も厳しい世界であることは重々承知しています。ですが、何事にもあきらめずに、挑戦することが人生では大切だと思う。野球強豪校のOBではない自分が可能性を示すことは、明星や大学の後輩に向けてのメッセージにもなる」

 エースとして臨んだ高校3年夏は阪南大高に2―5で敗れて初戦敗退。大学の4年間も恵まれた環境ではなかったが、野球に打ち込んできた猛者たちと、肩を並べるステージまではい上がってきた。アルバイトは小中高生を対象とした塾講師。「生徒の中には必要以上に大人びていて“夢なんてありません”という子が多い。でも、それでは寂しいので」。座右の銘は“挑戦を恐れない”。歩んできた異色の経歴は、荒波を生き抜く上での大きな支えとなるに違いない。

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