吉田正尚「“レッドソックス・ネーション”の一部になれて光栄」英語でファンの心わしづかみ 入団会見

[ 2022年12月17日 03:00 ]

レッドソックスの入団会見で帽子をかぶる吉田正(球団提供)
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 オリックスからポスティングシステムを利用し、レッドソックスへの移籍を決めた吉田正尚外野手(29)が15日(日本時間16日)、本拠地ボストンのフェンウェイ・パークで入団会見に臨んだ。背番号は今季と同じ「7」。苦手な英語によるスピーチで地元メディアやファンのハートをぐっとつかみ、決断の理由や世界一への思いを語った。 

 雪に覆われたフェンウェイ・パークで吉田が背番号7の、伝統あるユニホームに袖を通した。照れてはにかみ、苦手な英語に言葉を詰まらせながらも、懸命にスピーチした。

 「ハイ、アイム マサタカ イシダ」。緊張で自分の名前を「イシダ」と呼んでしまったのはご愛嬌(あいきょう)。自己紹介後は誓いを立てた。「“レッドソックス・ネーション”の一部になれて光栄です。全力を尽くします」。チームを熱狂的に愛するファンらを指す“造語”は、もちろん事前に調べてきた。スピーチ後には地元メディアから大きな拍手が湧き起こった。

 日本から移籍した野手で歴代最高額の5年総額9000万ドル(約123億3000万円)には「ビックリした」と素直な気持ちを打ち明けた。オリックスには1537万5000ドル(約21億円)の譲渡金が入る。チームを選んだ理由は「一番良い評価をしていただいた。フィールドも含めて、自分が本当にいいプレーができる環境だと思い決断した」。オリックスを26年ぶり日本一に導き、たどり着いた夢の舞台。日本一の翌年に海を渡って世界一をつかんだ日本選手は、球団OBで07年の岡島秀樹氏しかいない。「ワールドシリーズ王者を目指し、その一員になれるように頑張りたい」と史上2人目の快挙を描いた。

 福井で過ごした少年時代は、レッドソックスの試合をテレビでよく見ていた。印象深い選手に通算555本塁打のマニー・ラミレス、同541本塁打のデービッド・オルティスの2人を挙げ「打撃でファンを引きつける。僕もその一人だった」と感慨深げ。高さ約11.3メートルの左翼フェンス「グリーンモンスター」にも「初めて生で見た。凄く高い」と興奮が収まらなかった。

 今季地区最下位に沈んだチームは、1番打者の出塁率がメジャー27番目の.295と課題で、新リードオフマンの期待がかかる。「今までのように強くボールをコンタクトしていくことはどの打順でも変わらない」。球団公式ツイッターは“Macho Man”と早くも日本でのニックネームを紹介。その自慢の打撃をボストンのファンが待っている。


《英語スピーチ全文》
 Hi I’m Masataka Yoshida(Ishida?), nice to meet you.
I’m 29 years old. And I have played with Orix Buffaloes for seven years.
I don’t speak English, so nervous. I want to learn English and I wanna speak it sooner than my daughters.
I’m honored to be (in) Red Sox nation. I’ll do my best thank you!

(和訳)こんにちは、吉田正尚です。初めまして。
29歳です。オリックス・バファローズで7年間プレーしました。
英語は話せません。とても緊張しています。英語を学んで、娘たちよりも早く話せるようになりたいです。
レッドソックス・ネーションの一部になれて光栄です。全力を尽くします。本日はありがとうございます!


 《背番号7に決定》吉田の背番号は空き番だった「7」に決まった。オリックスでは入団から「34」を背負い、7年目だった今季に「7」へ変更。「先輩の糸井さんがつけていたし、長女が7月7日生まれで、自分も7月生まれ。いいイメージもあった」と笑顔だった。チームでは過去にジョー・ディマジオの弟ドン・ディマジオ、巨人でもプレーしたレジー・スミスらがつけ、90年代半ばからはトロット・ニクソン、J・D・ドルーら強打の左打ち外野手がつけ、今季途中まではクリスチャン・バスケスが「7」だった。

 《来季年俸は20億円》契約詳細を地元メディアが伝えた。契約金300万ドル(約4億1100万円)が支払われ、来季23年の年俸は1500万ドル(約20億5500万円)。24~27年は年俸1800万ドル(約24億6600万円)で、5年総額9000万ドルとなる。

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